厚労省・未承認薬会議 3品目の早期開発・承認申請を要請
公開日時 2006/10/29 23:00
厚生労働省の未承認薬使用問題検討会議は10月27日、抗悪性腫瘍剤と酵素製剤
の早期開発・承認申請を企業側に要請する方針を決めた。デシタビン(骨髄異
形成症候群)、ダサチニブ(成人慢性骨髄性白血病、成人急性リンパ性白血病)
、イデュルスルファーゼ(ムコ多糖症2型)―の3品目。
デシタビンは、今年5月に米国で承認されたが、国内で治験を開始していない。
適応症の骨髄異形成症候群は多能性幹細胞が起こす単クローン性造血障害で、
感染症や出血など合併症を発症するケースや白血病を患って死亡することもあ
る。
ダサチニブは今年6月末に米国で承認済みで、国内ではブリストル・マイヤー
ズがフェーズ1/2を実施している。イマチニブ耐性慢性骨髄性白血病やフィ
ラデルフィア陽性急性白血病など、移植しか治療手段が残されていない状態の
患者に有効性があるという。
一方、イデュルスルファーゼもまた国内治験は実施されていない。適応症はラ
イソゾーム酵素のひとつが生まれつき欠損して臓器障害などを発症するムコ多
糖症2型で、国内患者数は100~150人とごくわずか。米国の申請データには日
本人患者4人のデータを含まれており、厚労省はこれを含む海外データを活用
して早期承認したい考えだ。ただ、ライセンス権は米国のバイオベンチャーが
持つことから、国内の受け入れ先企業を探していく。