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大鵬薬品の血管新生阻害剤「TSU-68」 奏功率は3.7%、完全寛解はゼロ

公開日時 2006/10/22 23:00

大鵬薬品工業が進行肝細胞がん治療薬として開発中の経口血管新生阻害剤「TS
U-68」のフェーズ1/2の結果が明らかになった。東京大学医学部附属病院22
世紀医療センターの金井文彦氏が日本癌(がん)治療学会総会で発表した。奏
功率(PR=部分寛解)は3.7%、病態コントロール率は51.9%で、「残念なが
らCR(完全寛解)は確認されなかった」(金井氏)。この結果、肝細胞がん患者
に安全に投与可能で、抗腫瘍効果が期待できると報告された。

TSU-68はVEGFR-2、PDGFR、FGFRの阻害を介して血管新生を阻害し、がんの増
殖・転移を抑制することが期待される分子標的薬。肝細胞がんに対する薬剤開
発にあたっては、合併する肝炎・肝硬変による肝障害に対し、いかに安全性を
確保するかが問題となる。そのため、同試験は肝細胞がんに対する同剤の安全
性、有効性の評価を目的に、特に安全性を確認するステップ(ステップ1~2)
を設定し、肝障害度を考慮されてデザインされた。

対象者は投与開始後、薬剤の評価に十分な期間(90日以上)の生存が期待され
る患者で、平均年齢は67.6歳。有効性を確認するために、第1ステップに12例、
第2ステップに17例が登録され、400mgを朝食後、夕食後の1日2回(1日800
mg)を28日間を1サイクルとして1~6サイクル投与した。奏功率は、CRは確
認されず、PRが3.7%(1/27例)、病態コントロール率(PR+SD=安定化状
態)が51.9%(14/27例)であった。また、腫瘍壊死が37.0%(10/27例)に
認められた。主な有害事象は、アルブミン減少、下痢、腹痛、発熱で、ほとん
どがグレード1か2で、重篤なものはなかった。

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