厚労省調査 国立病院などで看護職員の需要拡大、地方の人手不足助長か
公開日時 2006/11/29 23:00
厚生労働省は11月29日、国立大学法人や国立病院機構などの看護職員の募集や
内定状況に関する緊急調査をまとめた。今年4月の診療報酬改定で新設された、
患者7人に対して看護師1人を配置しなければならない「7対1入院基本料」
を算定する大都市圏大病院が増加し、看護職員の需要が急増。逆に地方病院が
看護師不足に悩む現状が指摘されるなど、看護師の奪い合いが激しくなってい
る。同日に開かれた中医協総会に報告した。
調査によると、来年度の看護職員内定者は、国立大学法人(募集施設45)で前
年度比2212人増、国立病院機構(146)が417人増となり、積極的なリクルート
を進めている。
こうした看護師需要が高まる一方で、地方病院のなかには看護師を十分確保す
ることが困難となり、病棟閉鎖に追い込まれる例も出ているという。この状況
から病院団体は、看護職員の需要拡大をまねいた「7対1入院基本料」を疑問
視。「地域医療を崩壊させかねない」と見直しを主張している。中医協は06年
度改定が医療現場に与えた影響を調査する方針で、次期改定に向けて議論を深
める方向だ。