LTTバイオ 07年3期に「PC-SOD」の導出契約一時金見込む
公開日時 2006/11/30 23:00
LTTバイオファーマの水島裕社長は11月30日に開いた06年9月中間決算説明会
で、潰瘍性大腸炎治療薬「PC-SOD」の導出に向けた準備を本格的に開始し、07
年3期には導出契約一時金を見込んでいることを明らかにした。重症虚血肢治
療薬「AS-013」については、「日本、英国で優れた成績があるので、FDAがも
う一度ファースト・トラックの最終試験として認める可能性が大きい」と強気
の姿勢を見せた。
会見ではPC-SODの最新の研究成果が報告され、42例を対象に実施したフェーズ
2aで1日40mgの投与で効果があることが確実になったと解説。2週間投与例
で著効例が多く、次に最終臨床試験を行う段階にあるという。水島氏は「SOD
の臨床効果がここまで見事に証明されたのは恐らく世界で初めてだろう」と評
価。早急にライセンス先を見つけ、開発を推進させることが課題だとした。
また、三菱ウェルファーマと共同で米国で実施したフェーズ3で期待した結果
が得られず、同社との共同開発から離脱し、自社単独での開発を決めたAS-013
の最新の進捗状況も紹介。治験の問題点として投与量が多過ぎたことや、重症
例が多く、薬が患部に届かなかったなどの要因を挙げたうえで、「これらに対
処した治験計画を作れば、FDAに最終試験として認められる可能性が大きい」
とコメントした。治験薬の製造企業を年内に決める方針で「米国、欧州で試験
を再開したい」と語った。
前社長の突然の辞任(9月30日付)についても話が及び「辞任は1年以上前か
ら予定のうちだった。逆に皆様方の反応が理解できない」と発言。一方、渡部
良夫経営管理本部長は「過去は過去、今後は今後として新しいシステムを作っ
てやっていく」と語った。