アステラス 米社を3億8700万ドルで買収、がん領域の抗体医薬を強化
公開日時 2007/11/27 23:00
アステラス製薬は11月27日、がん領域の抗体医薬を専門とする米バイオベンチ
ャーのアジェンシス(Agensys)社を3億8700万ドルで買収すると発表した。
さらにアジェンシス株主(非公開企業)に対しマイルストーン達成(複数のIN
D申請、米リジェネロン社との提携で取得したVマウスの技術移転の完了、臨床
開発フェーズ2スタート、アジェンシス由来の標的分子に基づく低分子リード
化合物同定)に伴い、総額上限1億5000万ドルを支払う。
アステラスは、アジェンシスが14のがん種から30種の新規標的抗原を発見した
実績や、トランスジェニックマウス(XenoMouse)での完全ヒト型抗体取得技
術、フェーズ1試験中のAGS-PSCA(メルクと共同開発)をはじめ複数の前臨床
段階の候補品を保有していることなどを評価。
「買収によって完全ヒト型抗体作製技術、がんの独自標的分子及び開発抗体を
取得することになり、抗体医薬創出のスピード化と重点研究領域のひとつであ
るがん領域を含む自社抗体医薬研究体制のいっそうの強化につながる」とコメ
ントしている。アジェンシスの経営陣にアブジェニックス(Abgenix)社でXeno
Mouseを開発したAya Jakobovits氏が加わっていることも魅力としてあげた。
エーザイが今春、抗体医薬の研究開発を専門とする米バイオベンチャーのモル
フォテック社を3億2500万ドルで買収するなど、日本の製薬大手による米抗体
医薬ベンチャー買収が続いている。