スイス・フェリング 日本で自社販売開始、17年に売上300億円へ
公開日時 2008/07/07 23:00
スイスの製薬企業フェリング・グループが本格的に日本で事業を展開する。同
グループのミッシェル・L・ペティグリュー最高業務執行責任者は7月7日の
記者会見で、17年までに日本市場で300億円の売上を目指す方針を明らかにし
た。日本法人のフェリング・ファーマはMR17人を擁し、今月から協和発酵と中
枢性尿崩症・夜尿症薬で共同販促を展開しているほか、28日には日本初の自社
製品として不妊治療薬(ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン「HMG注射用75IUフェ
リング」)を自販する。
同グループは不妊治療、泌尿器科、消化器疾患の専門領域に特化したスペシャ
リティファーマ。ミッシェル氏は会見で、17年までに日本での売上比率を米国
の35%に次ぐ、10%以上の規模に成長させる考えを示した。最優先領域は不妊
治療、泌尿器科で、消化器、内分泌疾患領域でのパートナーシップを活用する
ほか、導出品の継続的な市場拡大を狙う。
日本では国内製薬企業への製品導出を通じて、1979年から3製品を発売。▽ペ
ンタサ(炎症性腸疾患、日清ファルマ)▽グロウジェクト(ヒト成長ホルモン、
日本ケミカルリサーチ)▽デスモプレシン(中枢性尿崩症・夜尿症、協和発酵)
――で、年間売上は約250億円。また、国内でアステラス製薬が前立腺がん治
療薬デガレリクス(フェーズ2)を開発中。
グローバル市場では96年から08年まで年間平均成長10%を遂げ、17年に約3000
億円の売上が目標。成長の原動力と期待されるのは、不妊治療薬やペンタサな
ど。不妊治療領域では第3位だが、将来はトップを目指す方針。
フェリング・グループの設立は1950年。世界41ヵ国に拠点をもち、07年度の売
上は約1280億円。日本法人設立は01年2月で、主に臨床開発業務や薬事業務な
どを行ってきた。従業員は約50人で、開発部員は15~20人。MRは新製品の上市
にあわせ増員する。