中外製薬 特定使用成績調査中間集計でアバスチンの忍容性確認
公開日時 2008/09/03 23:00
中外製薬は9月2日、昨年6月に日本で発売したモノクローナル抗体の抗がん
剤アバスチンの国内の副作用発生状況を海外データと比較する特定使用成績調
査の中間集計結果を発表した。解説した国立がんセンター中央病院の山田康秀
消化器内科医長は、「特に日本人で危険だというデータはなかった」と指摘。
10月に開催する日本癌治療学会で発表予定の最終集計でも「忍容性は確認され
るだろう」との認識を示した。
調査は730施設で収集した2705例が対象。うち1018例分の中間集計によると副
作用発生率は61.5%、重篤なケースは17.5%。多い副作用は高血圧11.8%(重
篤0.3%)、出血10.7%(同1.7%)。重篤なケースでは消化管穿孔1.4%、静
脈血栓症1.7%だった。
これら結果を受け中外は9月から、5例以上のアバスチン投与経験のある医療
施設では、処方医の要件を満たし使い方を熟知しているとみなし、安全対策の
ひとつである使用予定患者の事前登録による投与の適確性の確認を受けなくて
も処方できるようにした。