データモニター 政府の医療費抑制策は新薬開発・保険償還に影響
公開日時 2008/09/09 23:00
市場調査の英データモニターはこのほど、先進国がとる医療費抑制策が与える
製薬業界への影響についての分析をまとめた。日本と欧州では、「政府がジェ
ネリック薬使用を強く推奨しているため、製薬各社への圧力が増加し、究極的
には企業が創造性を維持できるかまで影響しそうだ」と指摘し、新薬開発への
影響は避けられないとの見方を示した。
一方、抑制策には必然性もあるとして、各社には「こうした問題を解決する義
務がある。今後は研究開発活動を合理化し、開発早期段階で戦略的パイプライ
ン決定を行うことは不可欠となるだろう」と、対応を促した。
米国でも、メディケア・パートDへの加入者増によるコスト増で、「連邦政府
は医療費軽減のため製薬業界との薬価交渉を検討するなど、対応を迫られてい
る」としている。
また、英国のNICE(国立医療技術評価機構)と同様な、医薬品に対するコスト
パフォーマンス評価を取り入れる議論が、独や米国で起きていることを紹介。
新薬が保険償還を獲得するには、有効性に加え「自社製品のコストパフォーマ
ンスを証明する費用対効果評価の導入が解答となりそうだ」と指摘した。