データモニター 新薬登場で抗HIV薬の競争激化、主役交代も
公開日時 2008/10/02 23:00
市場調査の英データモニターは、このほどまとめた日米欧の抗HIV薬の市場調
査結果で、インテグラーゼ阻害剤など新しいタイプの薬剤の登場で「競争が激
化しそう」と予測し、主役薬剤の交代の可能性も指摘した。
その中で抗レトロウイルス療法の誕生以来、首位を守ってきたGSK社について、
現在8製品を有しているものの「その多くは比較的古く、特許失効の時期が迫
っている。さらに過去2年間、研究開発後期段階で問題が生じたため、後期段
階にHIV(治療薬候補の)化合物が存在していない」とし、この領域でのGSK社
の後退を示唆した。
プロテアーゼ阻害剤では、圧倒的首位のアボット社のカレトラに代わり、BMS
社のレイアタッツ、J&Jのプリジスタが今後優位に立つとの見方を示した。レ
イアタッツは米国での首位に続き、09年に欧州で承認されれば、カレトラより
好まれると予想した。ただBMS社について、レイアタッツで成功しても、サス
ティバ(非核酸系逆転写酵素阻害剤)が13年に特許失効となり、その収益低下
を補える有望な化合物がないとの弱点を指摘した。
さらに競争に拍車をかける要因として新薬の登場を挙げファイザーのCCR5指向
性HIV-1感染症に適応を持つセルゼントリー、メルクのインテグラーゼ阻害剤
アイセントレス、ティボテック社の新たな非核酸系逆転写酵素阻害剤インテレ
ンスを紹介した。
市場規模は、日、米、英、仏、伊、独、スペインの主要7ヵ国で07年は93億ド
ルだったのが、感染者・患者の増加で10年後の17年には151億ドルまで膨れあ
がると予想した。