メディセオ・パルタックとアルフレッサ来年4月合併へ 売上高4兆円
公開日時 2008/10/13 23:00
国内医薬品卸トップのメディセオ・パルタックホールディングスと、第2位の
アルフレッサホールディングスは10月10日、来年4月に合併することで基本合
意したと発表した。両社合わせた売上高は4兆円に達し、合併後には2位とな
るスズケン(1兆5865億円)を大きく引き離す。
背景には、薬価を含む政府の医療費抑制策のあおりで利益が圧迫される状況が
生じている一方で、全国流通網、トレーサビリティの確保など事業基盤への投
資、さらには来春の改正薬事法の施行による一般薬販売規制の見直しを契機に
大手小売の参入で、業界を超えた競争の激化が予想されることがある。さらに
は、大型化する医療機関チェーン、調剤チェーンは流通・価格政策にも影響し
てくるとの見方もあり、対抗策の必要性が指摘されていた。両社は規模の拡大
で、競争力を高めたい考えだ。
存続会社はメディパルで、新社名は「アルフレッサ・メディパルホールディン
グス」。代表取締役は4人体制で、会長は福神邦雄氏(現アルフレッサ会長)、
社長は熊倉貞武氏(メディパル社長)、副社長は渡邉新氏(アルフレッサ社長)
、専務三木田國夫氏(メディパル会長)。メディパル株1株につきアルフレッ
サ4.15株を割り当てる。従業員数は約2万2000人。今後、12月上旬をめどに合
併契約書を締結する。
同日の会見で新社の社長就任予定の熊倉氏は、「今年の初め頃、私から提案し
た。福神さんとお話し、環境、流通業に要請される効率化を考えたとき、両社
の合併がベストの選択であることで意見が合致し、踏み切った」と経緯を説明。
両社で展開地域の重なりがあることから「かなりのコスト効果があると期待さ
れる」と述べ、コストシナジーを追求する姿勢を示した。ただ、新社の経営目
標、コスト効果の具体的数値は、今後の設置する経営戦略委員会の検討に委ね
るとして、明らかにしなかった。医療用薬などで地域によっては4割以上のシ
ェアとなり、独占禁止法上に抵触しかねない点については「公正取引委員会に
申請中」だとし、見通しは示さなかった。