世界金融危機はビッグファーマにチャンス?
公開日時 2008/10/13 23:00
日本でも10月10日には日経平均株価が8000円台となるなど世界主要株式市場が
暴落し、世界金融危機が深刻化する中、英国の市場調査会社であるデータモニ
ターは、製薬業界への影響を分析したレポートをまとめた。結論は「ビッグフ
ァーマには好機を与えそう」というものだ。一方、バイオテク企業は「資金調
達がより困難になる」と指摘した。
金融危機の影響として、銀行が自ら資本保護に走るため、低金利の融資が滞る
ことを指摘。その点、同社の企業分析ヘッドのクリス・フェルプス氏は、大手
製薬企業は他産業に比べ低金利の融資をあまり受けていないことを挙げ、むし
ろ豊富な自己資金で「積極的な買収活動を開始できる」との見方を示した。
想定される買収ターゲットは、バイオテク企業。同企業が近年、製薬企業以外
に資金源を求めてきた結果、今回の金融危機が資金調達を直撃。再び製薬企業
に資金を頼らざるを得ない状況が生じ、「ライセンシング契約においては、バ
イオテク企業は現在よりも不利な状況を受け入れざるを得なくなりそう」とい
う。それによって「ビッグファーマは相当数のバイオテク企業を急襲し、買収
を繰り返しそうだ」と分析した。さらに「弱体化したパイプラインの再建に必
要な絶好の機会」だとも指摘している。