厚労省・流改懇 9月妥結率70.9%、「全体的に改善」と評価
公開日時 2008/11/05 23:00
厚生労働省は11月5日、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会に08年9月時
点の価格妥結状況が70.9%となったと報告した。薬価改定を行った06年10月時
点と比べると16.7ポイント上昇となった。流改懇は「全体的には改善されてい
る」と評価。流改懇が07年9月にとりまとめた緊急提言では、6ヵ月を越える
未妥結状態を改善する必要性を指摘していたため、9月時点での妥結状況に注
目が集まっていた。
厚労省は9月時点の医薬品の価格妥結率の内訳は、保険薬局が76.1%(06年10
月比23.2ポイント増)と大幅に改善した。これまでバイイングパワーが強く妥
結に至らなかった調剤チェーンが71.7%(57.3ポイント増)と大幅に伸長した
ことが要因となった。医療機関は66.1%(10.7ポイント増)。200床以上の病
院では46.7%(16.1ポイント増)と改善はみられるものの全体からみると低め。
診療所は88.6%(3.8ポイント増)だった。
医療機関の設置主体別で妥結率をみると、これまでひと桁だった独法・労働者
健康福祉機構は20.9%(06年10月時点2.1%)、日赤14.1%(6.4%)、済生会
21.6%(7.5%)、学校法人24.9%(4.7%)、厚生連9.1%(5.6%)などが改
善傾向を示し始めたと評価。共済組合・その他連合会は2.4%(3.0%)で悪化
した。小山信彌委員(日本私立医科大学協会病院部会担当理事)は、卸連との
協力などの取り組みを進めた一方で、妥結のタイミングを「後に引っ張るほど
(価格交渉で)有利という後出しジャンケンが残る限り解決は難しい」と危機
感を示した。
総価取引については08年度上半期をみると、緊急提言で望ましいとされる単品
単価契約は200床以上の病院で68.2%、総価契約が31.8%だった。07年度でみ
ると53.6%が総価契約だったため20ポイント以上改善したことになる。調剤薬
局チェーンは単品単価契約が21.2%、総価契約が78.8%。07年度では99.1%と
ほとんどが総価契約だったことから、やはり20ポイント以上改善した。