武田薬品 開発中の非小細胞肺がん治療薬の患者登録一時中断
公開日時 2008/11/20 23:00
武田薬品工業は11月20日、非小細胞肺がん治療薬を目指し日米欧でフェーズ3
にあるAMG706(一般名:モテサニブ)について、独立データモニタリング委員
会(DMC)が行った600例の安全性評価結果を踏まえ、患者登録を一時中断する
ことを決定したと発表した。欧米では米アムジェン社が、日本では武田バイオ
開発センターが開発を担当していた。
同剤はファーストライン治療薬として、パクリタキセル及びカルボプラチン併
用のプラセボ対照二重盲検比較試験を行っている段階。DMCは、モテサニブ群
で投与初期における死亡率が、プラセボ群と比べて高いという結果から、新た
な患者登録を行わないよう推奨。さらに扁平上皮がん患者の喀血頻度が明らか
に高かったことから、扁平上皮がん患者への投薬中止も推奨した。扁平上皮が
ん患者以外の患者への投薬中止は推奨されておらず、3ヵ月後にデータを再調
査することになっているという。
武田薬品の医薬開発本部長で武田バイオ会長の宮本政臣氏は、「アムジェン社
と協力の上、扁平上皮がん以外の非小細胞肺がん、転移性乳がん、その他固形
がんにおける治療薬としての可能性を探索する」としている。