ヤンセン 世界初のAD/HD疑似体験装置を開発、障害理解の一助に
公開日時 2008/12/04 23:00
ヤンセンファーマは12月4日、AD/HD(注意欠陥/多動性障害)のある子ども
の目に映る世界を疑似体験できる装置「バーチャルAD/HD」を開発したと発表
した。世界初の装置で、当事者の視点に立った支援につなげる一助とするため
に、医師や当事者、その親などの協力で製作された。
装置は、顔につけたディスプレーとヘッドホンを用い目と耳を通じて、あらゆ
る症状のうちの注意欠陥状態を体験するもの。学校の教室の場面では、黒板に
集中しようにも、外の景色や教室内に動くものに次々と目が行ってしまう様子。
日常生活では、約束の時間があるにもかかわらず、なかなか行動に切り替えら
れなかったり、約束の場所に行く途中でもあらゆることを気を取られてしまっ
ているうちに、時間に遅れて、叱られてしまう場面など、自らの行動をコント
ロールできないことの辛さを約6分間の映像と音声で見せる。
ヤンセンは、25台を全国の支店に配置し、AD/HD児をケアする医療従事者に、
あらゆる症状のうちの注意欠陥状態がどういういうものかを体験してもらう。
当事者の置かれた状況を理解してもらうことで、適切な支援につなげたい考え。