メルクのシェリング・プラウ買収「前例ない手法」 ドイツ証券・舛添氏
公開日時 2009/03/10 23:00
米メルクの米シェリング・プラウ(SP)買収は、SPを存続会社とした上で「メ
ルク」に名称変更する手法で実施する。背景には、ジョンソン・エンド・ジョ
ンソン(J&J)グループの米セントコアから導入したSPの大型品、抗リウマチ
薬「レミケード」(08年売上高、21億ドル)や同剤後継品「ゴリムマブ」の権
利を合併新社でも維持する狙いがある。
これは「リバースマージャー」(Reverse Merger、逆さ合併)と呼ばれる手法
で、一般的には早く上場を目指す場合に、上場している休眠会社を買収する際
に用いられる。
ドイツ証券の舛添憲司ディレクターによると、今回のようなメガファーマによ
る大型M&A案件でリバースマージャーが活用された例は「記憶にない」。さら
に、「今後の大きな興味のひとつは、J&Jの出方だ」と述べ、実質的にはメル
クがSPを買収する構図のため、今後、J&Jが「レミケード」の返還などを求め
る可能性を指摘した。