後期高齢者診療料の算定状況はわずか1割、厚労省が調査
公開日時 2009/03/22 23:00
厚生労働省が公表した「後期高齢者にふさわしい医療の実施状況調査」による
と、後期高齢者医療制度の診療報酬において、外来医療の目玉として導入され
た「後期高齢者診療料」の算定状況が1割程度だったことがわかった。08年11
月に後期高齢者診療料の届出をしている医療機関3500件(有効回答数1100件)
を対象に実施。その結果、届け出ていながらも同診療料を算定していない医療
機関が89.5%に上り、届けているのは10.5%にとどまった。
理由は「患者が後期高齢者診療料を理解することが困難」が最も多く61.6%。
次いで「他の連携医療機関との調整が困難」(52.7%)「患者に必要な診療を
行うと、現行点数では医療提供コストをまかなうことが困難」(51.9%)との
声が多かった。後期高齢者診療料は、地域の主治医として患者の同意のもと診
療計画を定期的に策定し、日常生活などの指導や診療を行った場合に月1回60
0点を算定できる。
また、08年7月に一時凍結した「後期高齢者終末期相談支援料」の実施状況に
ついては08年11月に病院・診療所それぞれ1700件ずつの計3400件(有効回答は
病院が478件、診療所が471件)を対象に調査した。4月の施行から9月までに
75歳以上の患者に文書提供をした施設数は、病院で44施設、診療所で10施設だ
った。そのうち終末期相談支援料を算定したと解答したのは病院で9件、診療
所は1件だった。逆に相談支援料を算定する可能性はないとする施設は病院で
31件と全体の7割を占め、診療所も8件と大半を占めたとしている。
後期高齢者終末期相談支援料は、患者に現在の病状や予想される病状の変化な
どを説明した上で、病状が急変したときの希望などを聴取し、文書にまとめて
おくことで200点を算定できる。08年7月に凍結された。