大日本住友 国際戦略品候補の認知症治療薬 開発中止
公開日時 2009/04/19 23:00
大日本住友製薬は4月17日、次期国際戦略品候補で認知症治療薬として日米欧
でフェーズ2aを進めていたAC-3933の開発を中止すると発表した。十分な有効
性が得られなかったため。
同社は、同社は統合失調症治療薬を狙いフェーズ3にあるルラシドンを12年を
めどに発売するのを皮切りに米国に参入する方針だが、それに続く品目は検討
中だが、AC-3933は候補の1つ。
同剤が脱落したことで国内外で開発を進めるフェーズ2には過活動膀胱治療薬
を狙うSMP-986のみとなった。今後の国際戦略への影響について同社広報は「
米国事業を展開する上でCNS(中枢神経)領域でのパイプラインの構築が重要
と考えている。提携や導入は検討課題だが、研究品目の中からも考えたい。CN
S領域以外の開発品も含め可能性も見極め、今後の展開を検討したい」として
いる。
開発中止の理由となった試験は米国で行っていたもので、同社によると、認知
機能評価について投与後の平均変化量をプラセボと比較したところ、期待した
有効性が示されなかった。安全性には問題はなかったという。
同社は2月にも、日本と欧州で関節リウマチ治療薬としてフェーズ2を進めて
いたSMP-114について十分な有効性が得られなかったことから開発を中止した
ことを明らかにしている。