厚労省・木下経済課長 後発品使用促進、現行7掛けルールも論点
公開日時 2009/04/22 23:00
厚生労働省医政局経済課の木下賢志課長は4月22日、東京都内で開かれたCPhI
JAPAN 2009で講演し、後発品の使用促進に最も適した価格政策を検討してい
く姿勢を見せた。「従来通り先発品の7掛けで本当に良いのか、(長期収載品
と)同程度が良いのか、(7掛けより)もっと下げた方が良いのか」と指摘し、
現在の薬価制度改革論議の論点の一つとの認識を示した。また、後発品の使用
促進に向けて、製薬企業による情報提供を超えた「共通のプラットフォーム」
が必要と訴え、▽情報機能の集約化▽地域での後発品供給リストの作成▽後発
品備蓄の推進と情報提供――に関係者が連携して取り組む必要性を指摘した。
今後の薬価制度改革論議のスケジュールについては、中医協薬価専門部会が6
~7月に、新薬系企業、後発品企業、外資系企業の代表者による業界ヒアリン
グを行うとした。ヒアリングでは、市場拡大再算定、特例引き下げ、後発品の
薬価算定方式、未承認薬等への対応などについて意見陳述してもらうとしたほ
か、「議論の中心は後発品の政府目標30%を達成できるのかどうか。そのため
に何をするのかの意見が、ポイントになる」との見方を示した。
一方、木下課長は講演で、業界が提案している新薬価制度の柱のひとつとなっ
ている、特許期間・再審査期間中の新薬の薬価改定を一定条件下で猶予する
「薬価維持特例」の対象品目にも言及した。業界側は、すべての新薬を対象に、
平均乖離率の範囲内なら薬価改定を猶予する仕組みを提案しているのに対し、
中医協では希少疾病医薬品など対象品目を限定すべきとの意見が出ている。木
下課長は過去の薬価改定を引き合いに、平均乖離率の範囲内の薬剤は希少疾病
医薬品や、抗がん剤、HIV薬などアンメットメディカルニーズの高い薬剤にな
っているとし、「(全品目を対象にしても、対象品目を限定しても)おおむね
イコールの関係になるのかなと思う」との認識を示した。