製薬協 未承認薬等開発支援センター設立を決定、臨時総会
公開日時 2009/04/29 23:00
日本製薬工業協会は4月28日、都内で臨時総会を開き、未承認薬・未承認効能
の開発・承認取得を支援する「未承認薬等開発支援センター」(仮称)を5月
にも設立する(4月16日付既報)ことを正式決定した。製薬協加盟各社で毎年、
計3憶円強を拠出。未承認薬開発の資金面での支援(1品目5000万円程度、年
間5品目程度)や、未承認薬や未承認効能に関する監督官庁との各種折衝支援
などを行う。支援した資金は返済を求めない。
製薬協の川邊新専務理事は同日の記者会見で、同支援センターの設立に関し、
「(未承認薬・未承認効能への対応は)長らくの課題だったが、製薬協や製薬
企業の社会的使命の観点で検討した」と強調。同日の総会では「全社異議なく
了承した」と述べた。資金面の支援を未承認薬に限ったことについては、未承
認効能の問題は当該企業の経営方針の側面もあるため、「とりあえず未承認薬
に資金的支援をすることになった」という。未承認薬は現在14~15品目あるが、
今後3年間で現在の未承認薬の問題解決に道筋をつけたい考えだ。
一方、政府が4月27日に閣議決定した09年度補正予算案の中で、未承認薬・未
承認効能の開発支援に753億円が盛り込まれ、厚労省はこの資金をプールする
基金の設置先を公募する計画だ(4月27日既報)。会見で、同支援センターが
基金の設置先として名乗りをあげるのかを問われた川邊専務理事は、「国会で
予算が成立していないし、(基金の設置や公募も)よくわからない」とした上
で、「仮にその方向なら、一つの手段」と述べ、前向きに検討する姿勢を見せ
た。