大日本住友 売上横ばい、利益2ケタ減、09年度に営業体制を刷新へ
公開日時 2009/05/12 23:00
大日本住友製薬が5月11日に発表した09年3月期決算は、薬価改定や主力のCa
拮抗剤アムロジンが後発品参入で売上減となったことで、売上高は横ばいの26
40億円。利益面では統合失調症治療薬ルラシドンの海外臨床開発費が膨らんだ
ことなどで、営業利益、経常利益、純利益は2ケタ減となった。
10年3月期は、売上高は前期並みの2640億円、営業利益は19.8%減の250億円、
純利益が25.0%減の150億円と予想する。アムロジンや抗生物質メロペンが後
発品の影響をさらに受けることや、ルラシドンの開発費がピークを迎えること
を折り込んだ。「激戦市場で売上が伸びなかった」という高血圧症治療薬(AR
B)アバプロ(売上15億円)については、今年度長期処方が可能になることを
受けて攻勢に出る(売上60億円を予想)。
多田正世社長は同日の会見で、今年度(09年度)以降の経営方針について触れ、
今年度の売上予想が中期経営計画で掲げた目標値(2950億円)に到達できず、
310億円の乖離が生じる見込みであると説明。「各品目の市場や市場変化に対
する認識、分析が不十分だったことに加え、営業力を過大に評価した面があっ
た」と述べた。
一方で「10年度の薬価改定を大変重く受け止めている」として、10年度以降を
見据え、今年度中に営業本部組織体制の刷新や新製品への営業注力、経営効率
に取り組むことを明らかにした。また、今年度の最重点課題として海外戦略品
ルラシドンの米国展開を挙げ、▽事業化の方向になれば米国で自販体制を構築
▽第三者との販売提携▽販売力のある企業を買収――といった選択肢を5月以
降に探っていく方向とした。
【連結業績(前年同期比)09年度予想(前期比)】
売上高 2640億3700万円(0.0%増) 2640億円(0.0%減)
営業利益 311億6600万円(21.7%減) 250億円(19.8%減)
経常利益 313億9500万円(16.6%減) 240億円(23.6%減)
純利益 199億8700万円(21.9%減) 150億円(25.0%減)
【08年度(前期比%)09年度予想、億円】
アムロジン 579(-9.0)480
ガスモチン 202(3.4)210
メロペン 148(0.1)129
プロレナール 148(2.1)155
エバステル 106(-4.1)86
スミフェロン 60(-0.7)60
グロウジェクト 43(0.4)46
ドプス 38(-7.7)36
エクセグラン 36(0.9)38
キュバール 36(-16.7)30
グリミクロン 36(-8.4)34
ロナセン 34(―)65
メルビン 34(17.7)39
アムビゾーム 31(20.0)43
アルマール 30(-5.1)29
ルーラン 28(-5.4)27
タガメット 27(-16.1)24
セディール 27(-8.3)26
アバプロ 15(―)60