小野薬品・相良社長 長期収載品への影響を最小限にしつつ新製品育成へ
公開日時 2009/05/13 23:00
小野薬品の相良暁社長は5月13日の08年度決算会見で、中期的な見通しについ
て国内の事業環境が厳しさを増すなか、長期収載品のマイナス影響を最小限に
とどめ、新製品を育成していくとの姿勢を示した。同社は長期収載品の比率が
9割を越えるため、事業環境の変化の影響を大きく受けるという。一方で、
過活動膀胱治療剤ステーブラや骨粗しょう症治療薬リカルボンのほか、今後上
市を見込む新製品などに期待を示した。
ステーブラは07年、リカルボンは今年4月に発売。年度内の上市を見込む製品
としては申請中の糖尿病治療薬グラティブ(DPP4阻害剤)、制吐剤イメンド
(ともに申請中)がある。これらに加え、末梢循環障害改善オパルモンについ
ても、まだ市場拡大の余地があるとして、今期以降も成長を図る。
また同日付で、福島大吉会長が代表取締役取締役会長を辞任、取締役に就任す
ると発表。「より効率的かつスピーディーな経営マネジメントシステム体制を
構築するため」としており、それ以上については「個人の問題でありコメント
を差し控えたい」(広報)とした。6月26日に開催予定の株主総会終了後の取
締役会で正式決定する。福島会長は、08年6月に社長に就任したが、2ヵ月後
の9月に社長職を退き会長に就いている。
【連結業績(前期比)次期予想(前期比)】
売上高 1365億5600万円(6.4%減)1379億円(1.0%増)
営業利益 434億7100万円(16.9%減)405億円(6.8%減)
経常利益 467億5200万円(15.2%減)429億円(8.2%減)
純利益 237億6600万円(32.2%減)270億円 (13.6%増)
研究開発費 384億円(1.3%減)408億円(6.3%増)
【08年度(前期比%)億円】
オパルモン 381(2.0)
オノン 244(-9.8)
キネダック 158(-9.2)
フオイパン 121(-9.6)
オノンドライシロップ89(-19.0)
エラスポール 50(-8.3)
オノアクト 27(40.5)
ステーブラ 22(―)