財政審が建議 医師偏在是正を強く求める 診療報酬もメリハリを
公開日時 2009/06/03 23:00
財務省の財政制度等審議会が6月3日にまとめた来年度予算編成に関する建議
では、医療の疲弊した状況の改善に問題意識を示し、医師の地域間、診療科間、
病院・診療所間の医師の偏在の是正の必要性を強く指摘した。
医療費抑制を打ち出した骨太2006の「基本的方向性は維持する必要がある」と
し、診療報酬改定も抑制をにじませつつも、目標削減額やマイナス改定と明示
せず、財政規律を守りながら対策が必要な箇所には手厚く配分するといったメ
リハリのある予算編成が必要との考えを打ち出した。
診療報酬上の対策では「病院・診療所の配分が適切に行われるよう、その配分
の抜本的な見直しが行うことが重要」と指摘し、以前から議論されている病院
と診療所間の初・再診料の格差是正に対し問題意識を示した。
西室泰三会長(東証グループ会長兼代表執行役)は終了後の会見で、骨太2006
の基本的方向性を維持するとした点について「(社会保障費の2200億円抑制な
ど)具体的数値を入れていないことに注目してほしい。しっかりした考え方を
骨太2009で具体的に表してほしいということ」と説明。ただし、「来年度予算
では骨太2006の考え方を外れないでほしい」と述べ、規律ある予算編成を求め
た。