ノバルティスのタシグナ 初発CML治療開始12ヵ月で96%の患者に効果
公開日時 2009/06/16 23:00
ノバルティスの慢性骨髄性白血病(CML)治療薬タシグナ(一般名:ニロチニブ塩酸塩水和物)を初発の慢性期患者に投与したところ、治療開始から12ヵ月時点で96%の患者で検出可能ながん細胞が消失したとの臨床試験結果が、ドイツ・ベルリンで開かれた第14回欧州血液学会で報告された。結果はスイスのノバルティスが6月16日、日本法人を通じて発表した。
タシグナは、CML治療薬グリベック抵抗性の患者に対する治療薬として日本を含む65カ国以上で承認されている。今回の試験は、第1次選択薬としてタシグナの効果などを検証するために行われた、オープンラベル・単一アーム、多施設共同第2相試験として位置づけられるもので、初発患者73人を対象に行われた。
投与開始から12ヵ月目で、CML患者の骨髄中にみられるフィラデルフィア染色体細胞が検出されない細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)を達成した患者は96%に上った。高感度の測定方法である分子遺伝学的寛解(MMR)でも85%の患者が達成した。臨床試験はまだ進行中。
この試験はGIMEMAというグループが行ったもので、治験統括医のイタリア・ボローニャのジャナントニオ・ロスティ医師は、「タシグナが第一選択薬の新たな選択肢となり得ることを示唆している」としている。