FDAとメルク 抗喘息薬・シングレアの自殺企図リスク調査へ
公開日時 2009/07/23 04:00
メルクとFDAは、メルクが販売する抗喘息薬シングレア(一般名=モンテルカスト)の自殺企図リスクについて、さらなる調査を進める予定だ。
これはFDAが6月12日付早期通知で、ロイコトリエン修飾薬剤について、同クラス薬剤のメーカーに精神神経系イベント、特に自殺企図、自殺未遂行為及び自殺実行のリスクについて使用上の注意をラベルに記載するよう要請したことに対応したもの。
すでに、精神神経系リスク(うつ症状、自殺及び不安)について、メルクはラベルの「市販後事象」に記載しているが、さらに「使用上の注意」にも記載することが求められた格好だ。
メルクは、これを受けさらにシングレアの試験データを精査する。FDAは別途、市販後報告から調査する。
自殺企図リスクについて、FDAはモンテルカストのほか、アストラゼネカが販売するロイコトリエン受容体拮抗薬のアコレート(一般名=ザフィルルカスト)や、コーナーストーン・セラピューティクスが販売するロイコトリエン合成阻害薬のザイフロー(一般名=ジロートン)でも報告があったとしている。
■ 日本でも米国の状況踏まえ、厚労省と協議へ
日本でシングレアを販売する万有製薬の広報は、「日本では副作用報告は継続するが、改めて調査を行う予定はない」と説明。その上で、「米国の添付文書が改訂された段階で、日本の添付文書(の変更)について厚生労働省と協議する予定」(同社広報)としている。なお、FDAに提出されたデータに国別のデータはなく、日本人で自殺企図リスクがあるかは非公表としている。
(The Pink Sheet 6月22日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから