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ACTIVE-I 心房細動患者へのイルベサルタン上乗せで十分なイベント抑制認められず

公開日時 2009/09/03 10:00

 

 

 

心房細動患者に対し、抗凝固療法にARBのイルベサルタンを上乗せしても心血管イベントの発症効果が十分に得られないことが分かった。マクマスター大学(カナダ/オンタリオ州ハミルトン)のサリム・ユサフ氏が9月1日に開かれたHOTLINEセッションで、「ACTIVE-I」試験の結果を報告する中で明らかにした。(1日スペインバルセロナ 望月英梨)

ACTIVE-I試験は、心房細動患者に対するイルベサルタンの心血管イベント発症抑制効果の検討を目的に、日本を除く世界33カ国で実施された。

試験は、心血管イベントのリスク因子がある心房細動患者を対象に行われる一連のACTIVE試験の1つ。「ACTIVE-W」試験(クロピドグレル+アスピリンと抗凝固薬の効果を比較)や、「ACTIVE-A」試験(クロピドグレル+アスピリンとアスピリンの効果を比較)に引き続き行われた。つまり、抗凝固療法にイルベサルタンを上乗せした時の効果を検討することになる。

心房細動患者の合併症としては、心不全がよく知られているが、これを目的としてACE阻害薬やARBの効果を検討した大規模臨床試験はないことから、結果が注目されていた。

対象は、▽永続的な心房細動、または過去6ヵ月以内に2回以上の症状発現がある▽危険因子を1つ以上もつーの条件を満たす9016人。ACTIVE-W試験、ACTIVE-A試験の登録患者のうち、収縮期血圧110mmHg未満の患者やARB服用中の患者を除外した。

▽イルベサルタン群4518人▽プラセボ群4498人ーの2群に分け、治療効果を比較した。主要評価項目は、▽脳卒中、心筋梗塞、心疾患による死亡▽脳卒中、心筋梗塞、心疾患による死亡、心不全による入院ーの2つの複合エンドポイント。

その結果、主要評価項目の心血管イベントの新規発症はイルベサルタン群で963(5.4%)、プラセボ群で963(5.4%)で両群間に差はみられなかった(P値=0.846)。再発もイルベサルタン群で11001(24.3%)、プラセボ群で1122(24.9%)で両群間に差はみられなかった (P値=0.579)。ただし、脳卒中の発症は、イルベサルタンの投与により、13%有意に抑制した(P値=0.024)。

■心不全による入院は有意に14%抑制

心血管イベントの発症+心不全による入院も、新規発症、再発に有意差はみられなかった。ただし、心不全による入院に絞ってみると、イルベサルタンの投与により、有意に14%抑制することが分かった(P値=0.018)。

結果を報告したユサフ氏は、サブ解析でβ遮断薬の投与されていない患者では有意にイルベサルタン投与群が心血管イベントの発症を抑制していることも報告。「これは予期せぬ結果だった」と驚きをみせ、対象患者によっては、イルベサルタンの有効性が発揮される可能性も示唆した。

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