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2次元では高評価

公開日時 2010/02/23 04:00

電話では堂々とした話しぶりをしていたTさん、だが面接での評価はなぜかふるわなかった。

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 臨床開発職のTさん(30歳)は、すぐに転職活動を進めたいと希望を出されていたが、我々とのスケジュール調整がどうしても合わず、直接お会いせず電話で話をした転職希望者だった。
直接お会いすることが出来なかったが、電話での内容はまさにパーフェクト。単にキャリアが秀でているというだけでなく、知的で堂々とした語り口は、どんな相手にも信頼感を与えられそうな印象を受けた。

 

 Tさんならきっと選考でもうまくこなすのではと思っていたのだが、面接での評価はパッとせず、すぐに思うような結果を得ることは出来なかった。
「初対面の人は苦手なところがあるんです」
Tさんはそう言った。なにもめずらしいことではない。本来のコミュニケーション能力が高くても、最初は緊張するタイプもいるものだ。

 

 実際、次にTさんが面接を受けた外資系薬品メーカーA社で状況は一変、Tさんは高い評価を受けることになった。A社から出てきたTさんの評価は、我々が電話・メールで感じた人物そのもの。ようやく面接になれて、自力を発揮したのかと思ったのだが、A社から面接の詳細を知らされて、我々はある違和感を抱くことになった。

 

 A社の採用のキーパーソンは緊急の出張で、面接はA社の社内会議用のテレビ電話を使って行われたというのだ。
一般に、人とのコミュニケーションは直接会っているほうが、情報量が多くやりやすいとされている。モニター越しの会話は喋りだしのタイミングが難しく、相手の細かいボディーランゲージを読み間違える可能性も高くなる。

 

 最初の2社の面接でうまくこなせなかったTさんが、やりにくいはずのテレビ電話面接で高い評価を得たのは、なにか不自然だ。
とはいえ、Tさんも面接に慣れたのか、A社の面接官と相性がよかったのかだろうと、我々は思い過ごして粛々と進めていたのだが…。

 

 臨床試験受託B社は、1次面接でTさんの人物面をあまり評価していなかったものの、「キャリアが十分」として彼を2次面接に進めることを決めていた。
TさんもB社の2次面接を受けるつもりだったが、1点、業務内容の詳細について確認したいことがあるということで、次の面接前に電話で質疑応答の機会をもうけることにした。

 

 そのやりとりの後、我々はB社からこんなメールをもらった。
「面接ではおどおどしていたのに、電話では自信満々のように思えた。面接の時は体調でも悪かったのでしょうか?」
Tさんにこの質問をそのままブツけると、
「直接人に会うのがどうしても苦手で…。テレビ電話などでモニターに向かう時は自然に言葉がでてくるのですが」

 

 アニメやマンガの2次元キャラクターにいれこんで、3次元、つまり現実社会の異性に対してはまるでダメという人の話は最近よく聞くが、電話はもちろんテレビ電話のコミュニケーションを見事にこなす人が、直接会っての面接はまるでダメというのは珍しい。

 

 聞けばTさんは現職では、多忙と言うこともあって普段からテレビ電話を駆使して仕事をしているのだとか。
自分のデスクの前だけで仕事が完結する現代社会、これからTさんのような「2次元では高評価」という人も増えてくるのかもしれない。


リクルートエージェント

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