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PCI後の未治療病変部による心血管イベント、TCFAとプラーク負荷などがリスク因子

公開日時 2011/02/11 04:00

経皮冠動脈インターベンション(PCI)後に発生した未治療病変部の心血管イベントは、TCFA(thin-cap fibroatheromas)があることとプラーク負荷が大きく、また最小内腔面積が小さいことが、関連することが明らかになった。米コロンビア大学のGregg W. Stone 氏らの研究グループが、1月20日の「NEJM」で報告した。
虚血性心イベントの再発は、治療病変部での再発だけでなく、未治療病変部や進行性病変部でも起こり得るが、再発イベントの原因に関してプロスペクティブで総合的なデータは欠落している。


同試験結果は、急性冠症候群(ACS)の被験者697人を対象としたPROSPECT試験から導き出されたもの。PCI後に冠動脈の3ヶ所において血管造影を行った後、グレースケールIVUS、高周波IVUSも実施し、そのデータをベースラインのデータとした。また血清クレアチニンや空腹時脂質、グルコース、糖化ヘモグロビン、高感度C反応性タンパクも測定した。


30日目、6ヶ月目、その後は1年に1回ずつ追跡を行い、発生した主要心血管イベント(心臓死、心停止、心筋梗塞、もしくは不安定または進行性狭心症による再入院)を、治療病変部由来か、未治療病変部由来かに分類した。追跡期間の中央値は3.4年。


その結果、主要心血管イベントは135人において計149イベント発生し、3年累積率は20.4%となった。殆どのケースが不安定または進行性狭心症による再入院であった。治療病変部に関するものイベントの3年累積率は12.9%(118病変、83人)、未治療病変部に関するイベントが11.6%(104病変、74人)であった。イベントを起こした未治療病変部の30.2%は、ベースラインで血管造影法によって軽度とみなされていたが、定量的造影法では28.3%に50%以上70%未満の狭窄があり、4.7%が最低70%の狭窄があった。未治療病変部が関連するイベントで最も強力なリスク因子は、インスリン依存型糖尿病であったが、ベースラインのプラーク負担が70%以上(ハザード比5.03、95%CI 2.51-10.11, p<0.001)と、最小内腔面積が4.0 mm2以下(ハザード比3.21、95%CI 1.61-6.42, p=0.001)、TCFA(ハザード比3.35、95%CI 1.77-6.36, p<0.001)も、独立した予測因子であった。


これらの結果から研究グループは、ACS患者のPCI後の主要心血管イベントは、治療病変部と未治療病変部のどちらにも同等に発生しているとともに、イベントを引き起こした未治療病変部は、血管造影法で軽度とみなされるものの、グレースケール及び高周波IVUSによって得られた画像評価では、多くの場合TCFAか、70%以上のプラーク負荷、4.0 mm2以下の最小内腔面積であると結論した。


 

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