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東日本大震災リポート(2) 放射線被ばくには信頼のおける情報を

公開日時 2011/05/26 22:58

 Justin McCurryの「World Report」(3月22日 1061ページ)によると、米国では、福島原発のメルトダウンの可能性が報じられたことでヨウ素カリウム錠剤の買占め騒ぎが起きたという。実際、東京では、水道水からヨウ素131が210ベクレル/kg 検出されたと報じられ、政府は授乳中の母親はその水道水を飲用しないよう警告した。


その翌日、日本産科婦人科学会(JSOG)と日本医学放射線学会(JRS)が発表した見解は学会の母乳における放射能レベルに差異があり混乱を招いた。JSOGは、母乳中のヨウ素レベルは「母体が摂取した放射能量の4分の1」としたが、JRSは「非常に僅か」とした。しかも、JRSは授乳中・妊娠中の母親に対する水道水の安全性について「大丈夫」と言い切っている。JSOGの方が漠然としており、健康へのリスクはないと「推測」し、ペットボトルの飲料水はよりよいオプションだと記載している。両学会ともセシウム137については触れていない。


この相違は、長期的低線量放射線の影響について信頼しうるエビデンスがないことに由来する。チェルノブイリでは、信頼できる情報がなかったために公式情報への不信が拡大、放射線被ばくを招いてしまった。医療専門家は原発を使う国ならどこでも同じ問題に直面する。日本がデータを蓄積し始めるので、国際的メディカルコミュニティには、医師が国民に警告しなければならないときに語るべき信頼おける基準を策定することが課題となる。Jay Starky(アイオワ大学)らがThe Lancet で報告した。


(The Lancet  Vol377  May 14、2011) 
 

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