【速報】中外製薬 早期退職優遇措置にMRを含む172人が応募
公開日時 2019/04/24 17:55
中外製薬は4月24日午後、早期退職優遇措置を4月1日付で実施し、MRを含む172人が応募したと発表した。対象者は2019年6月末時点で満45歳以上の同社正社員およびシニア社員。ただ、製薬本部の社員は除外される。措置の内容は退職加算金として通常の退職金のほか72か月分(本誌取材ベース)の特別加算金を支給する。また、再就職支援として、希望者に外部の専門会社による再就職支援サービスを提供する。退職日は6月30日。
◎過去最高益達成も環境変化を先読みした判断
中外製薬は2018年12月期に過去最高の売上収益・営業利益を達成している。ただ一方でリツキサンやハーセプチンが一部特許切れしていることに加え、新薬開発の難易度上昇、さらには国内の薬価制度抜本改革などが今後業績に与える影響を先読みし、今回の措置に踏み切った。
◎抜本的な構造改革が求められている
同社は今回の背景について、「就業意識やライフスタイルの多様化に伴い、第二の人生や次なるキャリアを求める傾向は強まり、人生100年時代と言われる中で、自らの生涯設計に基づき転進を検討する従業員が増加している」と説明。さらには最新テクノロジーの進歩に伴う事業構造の変革なども影響しており、「従来の専門性や技術による競争優位の維持が困難になることが予想される」と強調している。その上で、「激変する事業環境と経営課題に迅速に対応し、連続的なイノベーション創出と持続的な成長を実現するために、抜本的な構造改革が求められている」と説明した。
◎募集人数は定めず
今回の早期退職優遇措置の対象期間は4月1日~19日まで。募集人員は自由意思に基づく制度のため定めていない。業績への影響については、特別加算金等約51億円をNon-Core項目として2019年第2四半期に計上する。なお、2019年1月31日に公表したCoreベースの2019年12月期連結業績予想への本措置による影響は軽微としている。