中外製薬 バビースモで新生血管を伴う網膜色素線条の適応拡大を承認申請
公開日時 2024/09/09 04:48
中外製薬は9月6日、抗VEGF/抗Ang-2ヒト化二重特異性モノクローナル抗体・バビースモ硝子体内注射液120mg/mLについて、新生血管を伴う網膜色素線条に対する適応拡大を承認申請したと発表した。バビースモは本適応について、厚労省から希少疾病用医薬品の指定を受けている。
網膜色素線条は網膜の一部が断裂し、眼底に特徴的な線状の色調変化(色素線条)がみられる疾患。無症状であることが多いが、眼底の中央の黄斑部に脈絡膜新生血管が及ぶと視力低下やゆがみなどの症状が現れる。新生血管を伴う場合は予後不良で、従来の手術やレーザーなどの治療では十分な効果を得ることが難しく、新たな治療薬が求められている。
同社の奥田修社長CEOは、「網膜色素線条は国内において承認された治療薬がない希少疾病」だとした上で、「国内第3相臨床試験において良好な視力改善効果を示したバビースモが、網膜色素線条に対する新たな選択肢として患者さんの治療に貢献できるよう、一日も早い承認取得を目指す」とコメントしている。
今回の申請の根拠となっている国内第3相臨床試験(NIHONBASHI試験)は、新生血管を伴う網膜色素線条患者24人が登録された。主要評価項目は12週時点のベースラインからの最高矯正視力(BCVA、メガネ等で矯正した場合を含め、視力表の文字を読む際に達成可能な最高の状態における視力)スコアの平均変化量。副次評価項目は52週時点のBCVAスコアの平均変化量、中心領域網膜厚のベースラインからの変化量の経時変化、および安全性が含まれる。