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旭化成 ヘルスケア領域の本社機能を米国に移転 イノベーションの最前線で事業開発を加速

公開日時 2021/10/06 04:52
旭化成は10月5日、初のヘルスケア領域事業説明会をウェブで開き、ヘルスケア領域の本社機能を米国に移転する計画を明らかにした。イノベーションの最前線かつヘルスケアの最大市場である米国に身を置き、M&Aや少額投資、ライセンス導入などの事業開発活動を加速させる。ヘルスケア領域の25年度の数値目標は売上6000億円(21年度予想4000億円)、営業利益800億円(同550億円)と設定。積極的な事業開発と、医薬と医療機器の両事業のグローバル展開を加速させることで、数値目標の達成を目指す。

本社機能の米国移転の詳細は、22年春頃に発表予定の旭化成グループの次期中期経営計画で明らかにする。旭化成のリチャードA. パッカー専務執行役員(ヘルスケア領域担当(共管))は、「最も重要なポイントは、当社が今後、どのような心構え、意思を持っているのかを社内外に発信することにある」と強調。中長期の持続成長に向けて、世界で最もイノベーションが見込まれる米国に身を置いて事業開発するとのメッセージを出すこと自体に意味があるとの認識を示した。

坂本修一取締役兼専務執行役員(ヘルスケア領域担当役員(共管))は、ヘルスケア領域事業を構成する旭化成ファーマや旭化成メディカルなど4事業会社の事業開発に係る多くの機能がすでに米国にあるとした上で、「財務、法務、その他の機能がなだらかに米国に移っていくことになる。最適なガバナンス体制を、知恵を出して構築していくことになる」と説明した。

◎「常に強い問題意識をもって考える」

新規事業を含むヘルスケア領域事業全体について坂本取締役は、「医療機器、医薬ビジネスを通じて解決すべきアンメットメディカルニーズが世界にはものすごくある」と指摘。「世の中のニーズや環境変化に対して我々が何をやらないといけないのか。今の事業だけに安住することなく、常に強い問題意識をもって考えることが重要だ」と強調し、社を挙げてアンメットメディカルニーズに取り組む姿勢を示した。

◎グローバル・ヘルスケア・カンパニーを目指す グループ第3の柱に

旭化成グループはマテリアル、住宅、ヘルスケアの3領域で構成している。ヘルスケア領域は近年、成長著しい。売上は11年度の1195億円が21年度に4000億円へと10年間で3.3倍に、営業利益は同88億円が550億円に6倍以上に拡大する見込みだ。これにより、旭化成グループの中のヘルスケア領域の売上割合は11年度の8%が21年度に17%に、営業利益は同8%が25%に拡大する見込みで、グループ内の貢献比率が高まっている。

ヘルスケア領域事業は今後、医薬と医療機器の両事業をグローバル市場で展開する「グローバル・ヘルスケア・カンパニー」になることを目指し、旭化成グループの成長を牽引するマテリアル、住宅に並ぶ第3の柱になるよう取り組む。25年度の数値目標は、直近10年間の年平均成長率などを踏まえ、売上6000億円、営業利益800億円と設定した。

パッカー専務執行役員は、21年度売上見込4000億円からの増収分2000億円について、この75%以上は既存製品の最大化で実現すると説明した。M&Aなどの事業開発は、▽クリティカルケア(救命救急医療)▽医薬▽バイオプロセス▽New Medtech――の4分野で対象企業の経営陣、市場、競争優位性を見極めながら進める方針。パッカー専務執行役員は、▽既存製品の伸びをさらに補完するためのもの▽25~30年までの持続成長を牽引するためのもの――に投資することになるとの見通しを示した。

◎医薬事業 25年に1500億円へ グローバルに重症感染症、免疫・移植、腎疾患に注力

ヘルスケア領域の中の医薬事業の売上目標は、25年1500億円、30年2000億円とした。医薬事業の20年度売上は、旭化成ファーマと、腎移植患者向け免疫抑制剤を手掛ける米Veloxis社との合算で約800億円となっており、25年までに倍近く伸ばすことになる。

目標達成は、グローバル展開の加速や、両社の連携強化がカギを握る。両社の事業基盤を活用して、グローバルに侵襲性/重症感染症、免疫・移植、腎疾患領域のパイプラインを拡充させ、「グローバルスペシャリティファーマ」に進化するとした。なお、日本市場は整形外科、救急、免疫領域に引き続き注力する。

医薬事業での事業開発は、両社の知見を米国に結集し、Veloxis社が主導する。ただ、日本で展開する整形外科領域は旭化成ファーマが主導する。臨床開発でも両社の知見を結集し、グローバル臨床開発拠点をVeloxis社に統合して機能強化を図る。このほか、日本を拠点にしたオープンイノベーション創薬は引き続き推進。販売・マーケティングは日米での両社の事業基盤を生かして、中国や欧州でのプレゼンス強化につなげる。

◎国内医薬の情報活動 オムニチェネル化を推進

国内事業基盤の更なる強化にも取り組む。このうち医薬事業では、「DXを活用した飛躍的な収益性・生産性の向上」を図る方針を示した。販売・マーケ、創薬、製造におけるデジタル活用を高度化させる考え。例えば販売・マーケでは、医療従事者向け自社サイトと、MR活動やサードパーティを用いたウェブ講演会といった既存のプロモーション活動を連動させたオムニチャネル化を推進する。AI創薬における化合物デザインや、製造面では「スマートファクトリーの構築による生産性向上」に取り組むとしている。
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