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オンコリス がんウイルス療法・テロメライシンの開発最優先 24年申請目指す 国内販売体制も検討

公開日時 2022/08/08 04:50
オンコリスバイオファーマの浦田泰生社長は8月5日の2022年12月期第2四半期決算会見で、食道がんを対象疾患に開発中のがんウイルス療法・テロメライシン(開発コード:OBP-301)を最優先プロジェクトに位置付け、「2024年に国内承認申請を行う予定」と表明した。国内の予定適応症は、「手術不適応な局所進行性の食道がん。ただし、放射線治療を併用すること」となる見通し。中外製薬との同剤の開発・製造・販売に係るライセンス契約が22年10月までに解消される。浦田社長は、同剤の上市に向けた製法開発・商用製造に係る投資を増額する計画のほか、自社販売体制の検討や販売パートナー企業の選定を急ピッチで進めていることも明らかにした。

同剤は「放射線併用による食道がん」を対象に再生医療等製品の先駆け審査指定を受けており、国内で第2相臨床試験段階にある。オンコリスは、中外製薬から10月15日までに治験施設などの臨床試験を引き継ぐ。浦田社長は、中外製薬に代わる開発パートナー企業を探すかどうかについて、同試験は現在8割以上の症例の組入れが進み、年内に最終症例の組入れが完了見込みのため、「同治験の完了から国内の承認申請までを、自社で実施する」と述べた。オンコリスは第2相試験の結果で承認申請する予定。

製造面に関しては、ベルギーのHenogen社にて、商用製造スケールでのテスト製造及び品質試験のバリデーションが順調に進んでいると紹介した。

◎MR数は「10人以上」を想定

オンコリスはこれまで、探索研究、前臨床、臨床初期までを自社で実施し、その後ライセンスアウトする創薬モデルで事業展開していた。今回のテロメライシンの食道がんに係る開発を受けて、臨床後期までオンコリスも絡み、承認取得後は提携先とともに展開する「製薬+ライセンス」のハイブリッドモデルに移行する方針。

浦田社長は、テロメライシンの日本での承認取得後を見据え、製造販売体制の構築に着手したことに加え、24年頃に再生医療等製品製造販売業の許可取得を目指す考えを明らかにした。同剤の国内展開にあたっては、「我々はコ・プロモーションしたいと考えている」と述べ、オンコリス側のMR数は「ピーク時に10人以上」を想定しているとした。販売パートナーとなる複数の候補企業と話し合いを進めていると言い、「販売パートナーを見つけ、しっかりテロメライシンのマーケットを築いていきたい」と強調した。

◎ピーク時売上 3年後に150~200億円

テロメライシンは、がん細胞で特異的に増殖し、がん細胞を破壊することができるように遺伝子改変した5型のアデノウイルス(腫瘍溶解性5型アデノウイルス)。ウイルス療法によって破壊されたがん細胞は、その特異的な抗原のシグナルを樹状細胞等の免疫細胞に直接伝えることにより、がん免疫を誘導できることが示唆されている。免疫チェックポイント阻害薬との併用による全身的な抗がん作用も期待されている。

同剤は内視鏡を用いて食道がんの局所に注射して用いる。食道がんによる嚥下障害の改善が期待され、現時点では既存の抗がん剤のような重い副作用はみられていないようだ。浦田社長は、開発に成功した場合、同剤は初の食道がんの局所治療薬になり、手術不適応患者のファーストライン治療になる可能性があると紹介した。ピーク時売上は算定薬価によるものの、3年後に150億~200億円を期待しているとした。

◎研究開発目的で30億1100万円を調達も、当初計画を約10億円下回る

オンコリスはこの日、20年12月~21年3月に実施した研究開発目的の資金調達が想定額まで届かなかったことなどから、開発方針の見直しと、資金使途の変更を発表した。

同社はテロメライシンや新型コロナ治療薬などの研究開発目的で30億1100万円を調達したが、当初計画を約10億円下回った。さらに、▽テロメライシンの中外製薬とのライセンス契約解消による資金計画の変更、▽テロメライシンの製法開発を委託しているベルギー企業(Henogen社)への円安ユーロ高を背景にした円ベースでの支払額の増加、▽経口新型コロナ治療薬・ゾコーバの緊急承認の継続審議決定を受け、新型コロナ治療薬の承認ハードルが引き上がったと判断した――といった市場環境の変化もあり、開発方針の見直しなどを行った。

◎資金の使途変更 テロメライシン増額 新型コロナ治療薬など減額

限られた資金は、テロメライシンにより集中することを決定。「放射線併用による食道がん」を対象疾患とする24年の国内申請に向け、Henogen社への円建て支払いの増加に対応し、製法開発及び商用製造への充当額を増やすことにした。当初は「テロメライシンの上市に向けた製法開発などの研究開発費」として21億6800万円(支出予定時期:21年1月~23年12月)を投じる計画だったが、今回、「上市に向けた製法開発及び商用製造などの研究開発費」として26億4000万円(同21年1月~24年12月)を投資することにした。当初計画から約5億円増となる。

一方で、次世代テロメライシン「OBP-702」や、「OBP-2011」などの新型コロナ治療薬の開発の優先順位を下げ、投資額を減らすことにした。具体的には、OBP-702への投資額は当初の13億5000万円を1億500万円に、新型コロナ治療薬は同8億円を5億6600万円にそれぞれ減額。当該資金をテロメライシンの製法開発及び商用製造の増額に充当することにした。
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