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小林製薬が会見 紅麹サプリで健康被害拡大 死者5人で社長陳謝 「未知の成分」としてプベルル酸検出

公開日時 2024/04/01 04:49
小林製薬の小林章浩社長は3月29日、紅麹成分入りのサプリメントを巡る健康被害の拡大を受けて大阪市内で記者会見に臨み、「非常に多くの皆様にご心痛、ご不安を与え、社会問題にまで発展していることを深くお詫び申し上げる」と陳謝した。会見は、健康被害が明らかになってから2回目。死亡例が出てから初めて開かれた。

この日の会見で同社は、紅麹サプリ摂取との関連が疑われる死者は70~90代を含む男女5人、入院者数は114人に上っている(3月28日22時時点)と報告した。健康被害を受けた患者の医療費などの費用を負担するほか、取引先に関しても自主回収や廃棄にかかる費用を補償する方針を表明した。

健康被害が報告された製品のロットについて同社は、通常の製造工程では含まれない「未知の成分」が検出されたことを明らかにした。HPLC(高速液体クロマトグラフ)で分析したところ、「未知の成分」は青かびから生成されるプベルル酸と同定されたという。プベルル酸について同社は、23年12月に閉鎖した大阪工場で混入した可能性が高いとしながらも、「混入経路の特定にはいたっていない」と説明した。

梶田恵介食品カテゴリー長はプベルル酸について、「成分の候補の1つとして、厚労省に情報提供した。現時点では、論文調査などが追いついておらず、健康被害への影響と紐づけていいのか判断できていない」と述べた。今後、厚労省や国立医薬品食品衛生研究所とともに健康被害との因果関係や混入経路などを調査していくとした。

◎紅麹の原料を直接卸した企業は52社 取引先(提携先)企業から原料入手は173社

同社が紅麹の原料を直接卸している企業は52社。原料の取引先(提携先)企業から原料を入手している企業は173社ある。すでに取引先企業に対して、健康被害の有無と紅麹原料の配合量などに関する調査票を配布しており、その結果について厚労省と共有する考え。

小林社長は、紅麹を含む健康食品などを扱う企業の数について、「他にもあると思っている」と述べ、まだ全容の解明には至っていないとの認識を表明。「原因究明が遅れ、関連する製品を全て回収せざるをえなかった。多くの企業や製品に影響し、申し訳ない」と陳謝した。そのうえで健康食品を含むヘルスケア事業の継続について、「国民の健康を考えると、病気の予防や健康の維持は非常に重要。許されるのであれば今後も貢献していきたい」と述べた。

なお、取引先企業のうち製薬関連の企業には、東和薬品の子会社「三生医薬」や大塚グループの大塚食品などが含まれる。このうち大塚食品は原料購入先が自主回収する原料を同社製品の「あわ 紅豆腐」に使用していたとして、自主回収を行った。これまでに医薬品に使用したり混入したりして被害が出たという報告はないという。
 
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