【World Topics】“施行済み”オバマケアへの評価:カリフォルニアの場合
公開日時 2013/10/04 03:50
2014年の医療改革完全施行に向け医療保険のオンライン販売サイトのサービスがスタートした米国。だが、改革に反対の立場を堅持する共和党は上院での予算審議を麻痺させる反対策を強行し、連邦政府はシャットダウンを余儀なくされている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
しかし、医療改革法による無保険者対策は、14年の全面実施をまたずに、すでに効果をあげている。こう評価するのは、シリコンバレーをカバーするサンノゼマーキュリーニュース紙である。
同紙は、2010年1月当時、カリフォルニア州には700万人(州民人口の約20%)の無保険者がおり、とりわけ18歳から34歳までの若齢者の無保険者率30%をこえていたことを指摘。これが、2013年)ことを評価。
無保険者減少に貢献した要因は、法案成立直後の2010年から施行された「緊急施策」のうち、親の扶養家族となれる「子」の年齢上限の引き上げ(0歳から26歳)、既往症を理由とした保険加入拒否の禁止、無保険の子どもへのメディケア救済措置の拡大の3点とした。
同紙はさらに、カリフォルニア州の医療保険購入サイト”CoveredCaifornia”に保険会社がラインナップした保険商品の月額プレミアムが大方の予想をはるかに下まわる価格帯であったことを、次なる成果と報じている。
そして医療改革の成否は、今後「どれだけの州民が新たに医療保険を購入するか」、また「新しい医療保険加入者への医療供給がどれだけ効率的に実施できるか」にかかっているとしながらも、1965年にメディケアが成立/施行されたときも、かなりの混乱があったこと、だが、2013年現在、メディケア加入者のメディケアへの満足度はきわめて高いことを指摘し、医療改革の行方を楽観しているとしている。