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薬食審・第一部会 2剤目のSGLT2阻害薬承認了承

公開日時 2014/01/27 03:52

厚労省の薬食審医薬品第一部会は1月24日、新しいタイプの2型糖尿病薬で、ブリストル・マイヤーズが承認申請したSGLT2阻害薬フォシーガ錠(成分名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)の承認の可否を審議し、承認することを了承した。3月にも正式に承認され、5~6月には薬価収載される見込み。

【審議品目】

部会で審議され、承認が了承された品目は次のとおり(カッコ内は成分名と申請会社名)。

▽フォシーガ錠5mg、同10mg(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、ブリストル・マイヤーズ):「2型糖尿病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。2013年9月時点で欧州を含む36カ国で承認済み。14年1月17日に米国でも承認された。

腎臓の近位尿細管で糖を再吸収するナトリウムグルコース共輸送担体2(SGLT2)を選択的に阻害し、過剰な血糖を体外に排出する。SGLT2阻害薬は、現段階では国内未発売であるが、1月17日にスーグラ錠(イプラグリフロジン L-プロリン)がこの薬効群で初めて承認された。

 

フォシーガ錠の用法・用量は、5mg錠を1日1回服用し、効果不十分な場合は10mgに増量可能というもの。なお、スーグラ錠にの用法にある「朝食前または朝食後」の指定がフォシーガ錠にはない。直後調査のほか、特定使用成績調査として▽2型糖尿病患者対象の3年間の調査▽65歳以上の2型糖尿病患者対象の1年間の調査――が予定されている。調査内容はスーグラ錠と同様となっている。販売はアストラゼネカと小野薬品が行う。

▽ルセンティス硝子体内注射液2.3mg/0.23mL(ラニビズマブ遺伝子組換え、ノバルティスファーマ):「糖尿病黄斑浮腫」を効能・効果を追加する新効能医薬品。再審査期間は「残余(平成31年6月19日)」。この適応では11年に欧州で、12年に米国で承認され、103の国または地域で承認済み。

現在の適応の▽加齢黄斑変性症▽網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫▽病的近視における脈絡膜新性血管――に追加する。糖尿病黄斑浮腫は、糖尿病患者において目の焦点である黄斑に浮腫が起こり、視力が低下する疾患。国内患者数は約18万人とされる。この適応を有する類薬には、マキュエイド(トリアムシノロンアセトニド、わかもと製薬)がある。また、同じ血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬アイリーア(アフリベルセプト、バイエル薬品)でもこの適応症での開発が進行中。ルセンティスによる硝子体内への投与は1カ月以上空けて行う。

▽レグパラ錠25mg、同75mg(シナカルセト塩酸塩、協和発酵キリン):「甲状腺がん、副甲状腺摘出術不能または術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)における高カルシウム血症」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間10年。希少疾病用医薬品。この適応で、欧米などで承認済み。

2010年時点の関連学会調査では、5年間の該当患者数が46人だった。重度の高カルシウム血症は意識障害や心不全で致死的な場合もあるが、これまで、国内で副甲状腺がんまたは難治性PHPTによる高カルシウム血症での承認薬がなかったため、同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外検討会議」で開発要請されていた。

経腸栄養剤ラコールに半固形化製剤 投与時間1/10以下の1時間内も可能に

 
【報告品目】
以下の品目は医薬品医療機器総合機構の審査で承認して差し支えないとされ、部会で審議も不要と判断されたもの(カッコ内は成分名と申請会社名)。
 
▽タケルダ配合錠(ランソプラゾール/アスピリン、武田薬品):胃潰瘍や十二指腸潰瘍の既往があり、狭心症や冠動脈バイパス術、経皮経管冠動脈形成術施行した患者に対する血栓・塞栓形成の抑制を効能・効果とする新医療用配合剤。再審査期間は「残余(平成26年7月22日)」。
 
アスピリン100mgとランソプラゾール15mgを配合したもので1日1回投与。血栓予防に用いるアスピリンの副作用である胃粘膜障害を、胃酸分泌抑制作用のあるPPI製剤ランソプラゾールも合わせて投与することで抑える。両剤の併用が必要な患者30~40万人を対象にした薬剤で、アスピリンとPPIの配合剤は日本で初めて。同剤の海外開発はされていない。
 
▽ラコールNF配合経腸用半固形剤(各種栄養成分配合 イーエヌ大塚製薬):胃瘻など長期にわたり経口摂取が困難が患者に対する経管栄養補給を効能・効果とする類似処方医療用配合剤。再審査期間なし。
 
液体の製剤では、体内での逆流や下痢のおそれがあった。ゼリー状の半固形にすることで、逆流や下痢を防ぐとともに、既存液体の製剤では投与時間に12~24時間かかっていたところを20~60分まで短縮できるという。医療や介護の現場では独自の工夫で固めて投与するケースはあったが、半固形化製剤が製品化されるのは初めて。
 
▽エストラーナテープ0.72mg(エストラジオール、久光製薬):「性腺機能低下症、性腺摘出又は原発性卵巣不全による低エストロゲン症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。
 
同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」が開発の必要性を指摘し、内外で広く使われているとして公知申請がなされていた。特例で既に保険適用されていた。
 
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