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米FDA オピオイド乱用事故防止アプリでコンテスト

公開日時 2016/10/05 03:50

米食品医薬品局(FDA)はこのほど、オピオイド過量投与(中毒)による死亡事故を防止するためのアプリケーション開発についてコンテストを実施すると発表した。

「2016年ナロキソン・アプリケーション競争」(2016 Naloxon App Competition)と題するコンテストは、米国で社会問題化しているオピオイド乱用による死亡事故防止と社会への乱用防止の啓発を兼ねて、プログラマー、公衆衛生活動家、臨床研究者、起業家およびイノベーターらに呼びかけ、乱用事故防止に役立つ携帯電話アプリケーションの開発を目指す。具体的には、過量投与をした者の身近にいる、オピオイド過量投与の解毒剤となる医療用薬剤ナロキソンを持っている者への連絡を可能にするアプリである。

「ナロキソン・アプリケーション競争」は、科学技術分野でのイノベーションを促すために制定された「米国の技術・教育・科学における意義ある知的中核を促進する機会をつくる法律2010」(America Creating Opportunities to Meaningfully Promote Excellence in Technology Education and Science) で実施が決められた。FDAと国立薬物乱用研究所(NIDA)および薬物乱用・精神衛生サービス庁(SAMHSA)が共催する。

SAMHSAによると、2014年のオピオイド乱用者・依存症患者は200万人と推計されている。ヘロインや違法に生産されたフェンタニルなど違法オピオイドも含めるとオピオイドの過量投与による死亡事故は2万8000人に達し、1999年の3倍となり、事態は深刻である。

ナロキソンは処方せん薬であるが、多くの州では、オピオイド乱用者の家族、友人や地域住民など医療関係者以外の者が乱用者に投薬できるようにしている。実際、米疾病管理予防センター(CDC)によると、2010~14年の間で、医療関係者以外の者による投薬は3倍に増加している。しかし、過量投与が発生した時に必ずしも同剤が身近にあるわけではないので、有効な対策が求められていた。

FDAのRobert M Califf長官は、過量投与をする人と直ちに連絡をとれるような新規技術の活用が迫られているとの認識を示した。その上で、「この競争を通して、毎年多数の犠牲を強いられるリアルワールドの問題を解決することに役立つ技術の開発を公衆衛生に特化したイノベーターにお願いしたい」と話した。

応募アプリの審査は、FDA、NIDA、SAMHSAからの代表者で行い、優勝者には賞金4万ドルが贈られる。コンテスト後には、参加者は、NIDA小規模企業イノベーション研究助成金(SBIR)の応募資格を得られる。これの資格取得者は助成金を得てさらにアプリ研究を深化させることができる。

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