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EpiPen値上げ 議会委員会でも不透明のまま

公開日時 2016/10/06 03:50

米マイラン社がアナフィラキシー反応治療薬EpiPen(エピネフリン注射剤)の薬価を同社が同薬剤を独メルク社から買収した当時よりも5倍以上の薬価になった問題は、連邦議会を巻き込む事態となった。


米上院監視・政府改革委員会は、9月21日、公聴会を開催、マイラン社のHeather Bresch CEOを呼び、EpiPenの価格設定や値上げの経緯などについて質問した。


英一般紙「The Guardian」、米経済誌「Forbes」、米経済誌「Fortune」などの報道を総合すると担当議員らが執拗な質問を行ったにもかかわらず、値上げの理由は必ずしも明確になったとはいえないようだ。


同委員会のElijah Cummings議員(民主党)は、BreschCEOに対して、同CEOは、安価な薬剤を見つけて価格を吊り上げることを目論んだと決めつけた。同議員の頭のなかには、2015年に起きた米Turing Pharmaceuticals社がトキソプラズマ感染症治療薬Daraprim(ピリメタミン)について50倍の値上げを行い、社会問題化、結局、同社Martin Shkreli CEOが詐欺罪で逮捕された事件があったものと思われる。しかし、逮捕の容疑は値上げとは別件だったことが分かっている。


John Duncan議員(共和党)は、アレルギーの小児の治療を口実に利益を追求したことに不愉快な思いがすると述べ、「恥ずべきこと」とBreschCEOを非難した。


BreschCEOは、患者がEpiPenの入手に困難をきたすような状況は意図していなかったと述べ、EpiPen2本パック608ドルのうち利益は50ドルに過ぎないと答えた。また、10年間のあいだに自己負担額が上昇したことや卸売りコストおよび値引きなどを考慮、価格が上がったと正当な値上げであると主張した。


同委員会のJason Chaffetz委員長(共和党)は、同社が急きょ、EpiPenのオーソライズドジェネリック医薬品(AG)を先発品の半額の300ドルで発売することになったことについて、先発品との差額の300ドルが実質的な利益ではなかったのかと尋ねた。同日の委員会では、結局、マイラン社の価格設定の根拠は明確にはならず、消化不良のまま終了したようだ。


なお、Bresch CEOは、民主党Joe Martin上院議員(バージニア州選出)の娘である。昨年の同CEOの年収は1890万ドルで2007年と比べ7倍近くに上がっているという。この金額は、バイオ医薬品企業のCEOでは6番目に高額だと指摘されている。
 


 

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