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米国発 あらためてワークサイト・ヘルスプロモーションの時代

公開日時 2013/06/14 05:00

予防医療を強調する医療改革法案の2014年からの本格施行を目前に、企業が従業員のウェルネス・プログラム(予防医療・健康指導)を導入し、いわゆるワークサイト・ヘルスプロモーションにあらためて力を入れ始めた。ワークサイト・ヘルスプロモーションは、1990年代に先進的な企業でさまざまに試行され、学会での専門家の議論も盛んであったものが、その後の経済不況で低迷し、伸び悩んでいたもの。


だが、最近の調査は、職場で従業員にウェルネス・プログラムを提供する企業が再び急激に伸びていることを示している。具体的には、たとえばウォールストリートジャーナル紙が大手企業を対象に実施した調査によれば、従業員にウェルネス・プログラムを提供する企業は2009年には57%であったのが2013年には97%になっている。


新しいプログラムの特徴は、プログラムの提供だけでなく、従業員のプログラム参加意欲を高め、やる気を引き出すためのインセンティブがさまざまに工夫されていることである。そのための予算も増えており、WSJ紙の調査では、企業が従業員ひとりあたりに割いてもよいと考えている予算額は、2009年には一人あたり年間$260であったのが、2013年には$521まで伸びている。


米国企業のインセンティブの付け方には、次のようなモデルがある。


(1)啓発型インセンティブ
健康診断や健康リスク・スクリーニングの受診にインセンティブを付ける。通常、従業員の75%以上を受診させるには,一人当たり$100程度の参加費は必要と言われている(米国では健診は義務ではない)。企業によっては、明らかに健康的な活動への参加にもこの種のインセンティブを付けている。たとえばJetBlue社ではトライアスロンへの参加者には年間$400のインセンティブが出る。


(2)行動開始へのインセンンティブ
健診や健康リスク・スクリーニングの結果に基づき、たとえば減量コースに参加するなど、リスク改善のための活動をはじめたら、それにインセンティブを出す。$200から$350程度のインセンティブが出る企業が多い。


(3)段階的インセンティブ
健康行動を起こすか起こさないか(上述の(2)の例)だけでなく、開始した健康行動を継続できるように複数のレベルを設定し、一段階レベルが上がるごとに、細かくインセンティブを出していく。減量や BMI値の改善、血圧やコレステロール、あるいは血糖値などの改善など。


(4)良好な結果(Outcome)を得たことへのインセンティブ
各種の健康指標について、良好な数値を得た従業員に対してインセンティブを出す。4割程度の企業がこのモデルをとっていると言われる。例えば減量して標準体重に達したら$100、禁煙に成功したら$200、適正血圧にもどったら$125という具合い。


(5)限定目標達成へのインセンティブ
企業によっては、検診結果や医療費明細等を分析し、従業員個々人に特化した、個別目標を設定し、その目標の達成にインセンティブをだすところも出てきた。だが、個別介入に対しては、プライバシーの侵害だと感じる従業員もおり、この手法には賛否両論ある。


 

 

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