沢井製薬 減酒治療補助アプリ「HAUDY」発売 専任MR配置「営業のレベルを上げるチャンス」木村社長
公開日時 2025/08/28 04:51

沢井製薬の木村元彦代表取締役社長は8月27日、同社初の減酒治療補助アプリ「HAUDY(ハウディ)」の発売会見に臨み、ジェネリック医薬品事業に加えて、疾病の予防・診断への事業拡大に強い期待感を表明した。減酒治療補助アプリの発売日は9月1日。同社は4月に「デジタル医療機器推進室」を社内に新設。専任MRの配置にも取り組んでいた。木村社長は会見で、「営業活動で医師へのアクセスも増やし、MRのレベルを上げていくチャンスでもある」と強調。「Sawai Group Vision 2030」に掲げた企業理念の実現に強い意欲を示した。
減酒治療補助アプリ「HAUDY」は、アルコール依存症で減酒を治療目標とする患者を対象にしたアプリで、CureAppが開発し、薬事承認および保険適用を受けた。沢井製薬とCureAppは24年8月に販売ライセンス契約を締結。国内におけるアルコール依存症を適応としたアプリの独占販売権を獲得した。減酒治療補助アプリ「HAUDY」の業績インパクトについて同社は、初年度の対象患者数は1300人、約1億円の売上を見込む。また、発売5年で処方患者数は約1万人と推計し、売上高約5億円を目指す方針を明らかにしている。
◎沢井製薬・木村社長「我々として初の治療アプリで、非常にエキサイティング」
沢井製薬の木村社長は、「我々として初の治療アプリで、非常にエキサイティングだ。新たな治療選択肢として、患者本人のみならずご家族にとっても喜ばれる存在になりたい」と期待感を込めた。ジェネリック医薬品事業で「販売数量、シェアともにNo.1」(木村社長)と自負する沢井製薬だが、今回のアプリ販売は、顧客である医師への情報提供を通じて、疾患の予防や診断という事業領域の拡大に会社をあげて挑戦することにもなる。会見で製品戦略部の澤田豊博部長は、「MRに対する教育研修を実施した後に、情報提供活動を本格化させる」と説明し、アプリ専門MRを含めて疾患の予防、診断、治療の各段階に同社MRが関わる意義を強調した。
◎CureAppの佐竹社長「治療アプリという新産業でご一緒できることは大変嬉しく思う」
この日の会見にはCureAppの佐竹晃太代表取締役社長も同席した。佐竹社長は沢井製薬との販売提携について、「沢井製薬はジェネリックという一昔前ではなかった概念を世の中で当たり前のものにした確かな実績がある」と評価。「治療アプリという新産業を作るということに関してご一緒できることに、大変心強く嬉しく思っている」と、期待感を示した。
◎9月1日の発売日にあわせて疾患啓発サイト開設 一般生活者向けの疾患啓発も予定
なお、沢井製薬は減酒治療補助アプリ「HAUDYの発売に合わせて、9月1日付で疾患啓発サイト「AUDアルコ―ル相談室」を開設する。サイトを通じてアプリに関する情報を発信するほか、医療機関検索などのサービス機能も用意した。今後は、一般生活者向けのアルコール依存症疾患啓発活動も、11月以降に展開する予定だ。