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米FDA 筋弛緩薬回復薬・ブリディオンを承認

公開日時 2015/12/28 03:50

米食品医薬品局(FDA)は12月15日、筋弛緩回復薬Bridion(日本製品名:ブリディオン、一般名:スガマデクス)注射剤を承認した。同剤の適応は、成人の一定の手術において使用される筋弛緩薬ロクロニウム臭化物およびベクロニウム臭化物による筋弛緩状態からの回復。

臨床試験で報告されたアナフィラキシーおよび過敏性反応への懸念から、通常の臨床試験に加え、1本の無作為化二重盲検・並行群間比較・反復投与試験が実施された。299例の内、1例でアナフィラキシー反応が見られた。このため、臨床医はアナフィラキシーもしくは過敏性反応に留意するよう喚起されている。また、心停止を招くような顕著な徐脈が投与後数分以内に発現したことが観察されているので、筋弛緩回復中および回復後の血行動態変化をモニターすることが求められている。同剤の臨床試験中の主な副作用は、嘔吐、低血圧、疼痛、頭痛および悪心。

米Merck Sharp & Dohme Corp社(本社:ニュージャージー州ホワイトハウスステーション)が販売する。

Merck Research LaboratoriesのDavid Michelson副所長(神経科学)は、「FDAによるBridionの承認は、アンメットメディカルニーズに応える医薬品を継続的に開発するメルクの取り組みを反映するものだ。Bridionによって、我々は今や、術中の成人におけるロクロニウムおよびベクロニウムによる筋弛緩を回復させるために新たな作用機序を持った新規治療選択肢を手中にした」とコメントした。

国内では、すでに2010年にシェリング・プラウ社(現MSD社)から発売されている。

FDA医薬品評価研究センター(CDER)のSharon Hertz麻酔・鎮痛・薬物中毒製品部長は、「Bridionは、術中に気管挿管などに使用される筋弛緩薬からの早い回復に役立つ新たな選択肢を提供する」と述べた。その上で、「同剤は、医療従事者に筋弛緩薬の効果を無効にさせ、術後自発呼吸を回復させる」と同剤の登場を歓迎した。
 

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