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恵寿総合病院に見る医療ICTの取り組み  (3/3)

公開日時 2015/07/31 00:00
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デジタル活用の環境変化と地域医療連携

マルチチャネル3.0研究所
主宰 佐藤 正晃

 

MC3.0研究所は地域医療における製薬企業の役割を再考するために発足した、その基盤にあるのは言うまでもなく医療ICTの活用による医療従事者の行動モデルの変化である。MRの医療情報提供活動の為に製薬各社はここ5年前位よりこぞってiPadの活用をスタートさせ、これまで紙で利用してきた様々な資材をデジタル加工してプロモーション活動をスタートさせたのは記憶に新しい。当初の頃はiPad自体の目新しさもあり医師の目を引くことにより効果的なプロモーション活動が行われたといわれていたが、現在の活用の効果に関してはあまり目立った意見が聞こえてこないのは私だけであろうか?既にMRの営業販促ツールとしてはコモディディ化されてきたのであれば非常に良い事であるが、そうでなければ問題である。医師のデジタルの情報収集のニーズとして高い海外の学会の情報やガイドラインなどである一方でMRに対しては副作用情報や関連薬剤に関する質問並びに意見交換等がある。デジタルの武器を持つことでコンテンツ力とコミュニケーション力の平行した向上施策が必要だと思われる。デジタルを活用しながらコミュニケーションを図る、なんだかんだ言っても人は誰かと話をしたい、情報発信がすべてデジタルだけになることはない、MRの存在はなくならないと言うのは対談した山野辺先生と私の共通した意見であったのは印象的であった。

 

また、様々なiPadディテールのソリューションが誕生している、その中の代表的なものしては日報入力と連動した顧客管理システム(CRM)やMRが説明しやすい機能を持った資材コンテンツのマネージメントツールである。ディテールのツールとしてだけではなくMRの業務効率化としての側面としてのIT活用は必要であり、MRがいかにITを駆使して有益な情報を集めることが出来るかという事はMR自身のスキルとして差別化の要素の一つである。

 

文部科学省が主導してiPadを活用した小学校での学習を進めているその意味は「ICT活用自体に慣れること」と「分かり易い授業」との話を聞いたことがある、そういった意味ではMRのiPad利用はスムーズな医療情報提供と素早い情報活用を主眼に置くことは間違いではないだろう。製薬企業でデジタルを活用したディテールの研修などはあまりさえていない、この部分は今後セールストレーニングの部門が取り組む必要があるであろう。

 

恵寿総合病院はこれまで医療ICTの先進的な病院として数年前よりシステム導入で訪問していた。今回は山野辺先生が病院CIOとして新たに参画された事もあり対談が実現することになった。急性期 回復期 慢性期 介護サービスと患者中心のプロセスに対応している電子カルテシステムの連携のモデルは非常に素晴らしく先進的である。いつでも、どこでも、だれにでもを実現した恵寿病院の医療情報システムは日本の地域医療ICTの手本になる取り組みの一つであるのは間違いない。これから更に患者中心の医療ICTが求められている、折角あれだけの数のMRのiPadがあるのだから、連携のハブとして活用できないかと考えさせられた取材であった。デバイスの連携に加えて薬剤の情報の効果的な活用シナリオと患者中心の情報提供モデルを実現するために、製薬企業は何をしなければならないか検討を続けて行く。

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