米イーライリリー社
公開日時 2002/03/21 23:00
新しいバイオテクノロジー医薬品の重症敗血症治療薬ザイグリス(一般名:活性型ドロトレコギンアルファ)に対し、疾病治療に大きな進展をもたらした医薬品の先駆的な役割を讃えるトランスレーショナル医学賞が2002年分子医学会で贈られたと発表した。ザイグリスは活性型プロテインC分子。これはバイオテクノロジー製品のなかでは最大の分子で、400以上のアミノ酸で構成されている。遺伝子組換えでこの分子を合成するには、生物学的に効力を最大に活性化するために、4つの複雑なプロテインC分子の修飾が必要だった。トランスレーショナル医学賞は、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)分子医学研究所、ソーク生化学研究所、ネイチャー・メディスン誌の三者の共催によるもの。UCSD分子医学研究所のケネス・R・チェン所長は、ザイグリスは「医療ニーズが満たされていなかったものの中で最も緊急性の高い重症敗血症への初めての生物学的な治療であり、臨床上、科学上の大きな影響を与えた」とコメント。ザイグリスは、致死率の高い成人重症敗血症(急性臓器不全を伴なう敗血症)患者の死亡率を減少させることが認められ、2001年11月にFDAの承認を取得した。