万有 メルクの100%子会社に
公開日時 2003/01/13 23:00
米国メルク社と万有製薬は1月10日、都内で共同記者会見を開き、米国メルク社が万有の全株式を取得して100%子会社化すると発表した。3月6日までに、未所有分の普通株式約49%(1億2924万7754株)を買い付ける。万有側は9日開いた取締役会で、賛同の表明を決議したという。また、万有の長坂健二郎会長兼社長は、今年6月の定時株主総会までで社長を辞任し、会長職に専念する考えを明らかにした。会見で米メルク社のデビッド・W・アンスティスヒューマンヘルス事業社長は、子会社化について「両社のさらなる飛躍に向けた自然発展的なプロセス。新たな協業体制で、これまで以上に強固な競争力をつけたい」とする一方、「(万有を)日本の企業として維持することは重要で、(日本の)商慣行にも敬意を表したい」と強調した。長坂社長は、「両社の協調関係が進めば進むほど、間に壁があると問題点を感じていた。『遠慮がちなコラボレーション』から、『完全な協調関係』に移行できる」と歓迎の意を表明。社長辞任については、「10年近くやっているし、トップは変わることに意味があると考えている。どこで言い出すか迷っていたが、100%(子会社化)の話が出て、良い機会だと思った」と説明した。後任は社内外から募る考え。両社は1954年に合弁会社「日本メルク万有」を設立。84年に米メルク社が、万有の株式50.87%を取得した。未所有分の買い付けは1株1400円で、過去1ヵ月の平均株価に対し31.3%のプレミアムが付くことになる。また、買い付け終了により万有は、東証1部上場企業の看板を下ろす。