厚労省・中医協総会 02年10月医療費3.3%減
公開日時 2003/02/19 23:00
厚生労働省の中医協は2月19日、省内で総会を開き、事務局が提出した02年4月から10月までの「医療費の動向」について議論した。医療費総額の対前年同期比は、02年4月の診療報酬改定の影響を受けたと考えられる4~9月分が0.1%のマイナス。10月の制度改正や診療報酬改定の影響が出たと見られる10月分は3.3%のマイナスとなった。10月のマイナス幅は、入院より外来で、一般より老人保健でより深刻だった。この日の総会では、これまで基本問題小委員会で検討を進めてきた特定機能病院の診療報酬包括払い制度への移行について審議する予定だったが、「実施時期に関する各病院の調査が長引いている」(事務局)ことから、次回の26日に延期した。「医療費の動向」によると、4~9月分は入院が0.7%減、外来が2.9%減。10月分は、入院が1.2%減で、外来は7.7%減だった。調剤は、4~9月は11.2%伸びたが、10月の伸びは6.3%に抑えられた。高齢者に限ると、4~9月分の医療費総額は2.1%の伸びを示しながら、10月には3.0%の減に転じた。高齢者は9月に4.3%の高い伸びを示しており、事務局は、10月実施の定額負担廃止や所得に応じた負担割合アップを前にした「駆け込み診療」による増と、その反動による10月のマイナス影響の可能性を指摘。ただ、10月に制度改正がなかった一般医療でも似た傾向を示していることから、「10月分だけでは制度改正や診療報酬改定による影響は分からず、3~4ヵ月かけて影響を図りたい」としている。一方、病床規模別に見ると、500床以上病院は10月分が1.8%減(4~9月分0.3%減)、300~499床は2.1%減(同1.7%減)だが、20~49床では7.6%減(同5.3%減)、50~99床は6.1%減(同3.3%減)など、02年度上半期も10月分のみも、大病院より中小病院での「落ち幅」が大きいことが分かった。