厚労省・概算医療費 マイナス改定と制度改正で0.7%減
公開日時 2003/08/11 23:00
厚生労働省は8月11日までに、02年度医療費の動向(概算医療費)をまとめた。
総額30兆2000億円で、前年度(30兆4000億円)から0.7%のマイナス。02年4
月の、平均2.7%の診療報酬マイナス改定や、10月実施の老人医療「定額一部
負担」完全撤廃と「定率負担」負担率引き上げによる受診抑制が原因と見られ
る。
概算医療費の伸びがマイナスとなったのは、介護保険制度がスタートした00年
(△1.9%)を除いて初めて。診療報酬改定がなかった01年度は3.2%伸びてい
た。また、02年度4~9月の上半期(△0.1%)より同10~3月の下半期(△1.
2%)の低下が著しく、10月の制度改正の影響が色濃く反映した。
診療報酬の影響を最も端的に示すと見られる1日当たり医療費の伸びは1.4%
で、改定がなく自然増で伸びた01年度(2.1%)より0.7ポイント低い。一方、
制度改正による受診抑制の影響を見るため入院外の1人あたり日数(通年△2.
4%)の上半期と下半期を比べると、それぞれ△1.7%と△3.1%だった。
概算医療費は、診療報酬支払い基金と国保連合会の審査分医療費(算定ベース)
について年次推移を調べたもので、全額自費診療や労災保険にともなう診療費
は含まれないため、おおむね1年遅れでまとまる「国民医療費」より数パーセ
ント低い金額になる。