中医協・小委 研修医手当て年平均265万円
公開日時 2003/11/05 23:00
厚生労働省は11月5日の中医協診療報酬基本問題小委員会で、研修医の平均手
当てが年間265万円(03年5月現在)との調査結果を報告した。800万円を超え
る研修医がいる一方で、30万円というケースもあった。私立大学病院に限ると
平均146万円だった。04年度の新医師臨床研修制度スタートに向け厚労省は「
同年齢の医療関係専門職等の収入を踏まえ年収360万円程度の水準が目安」と
しているが、全体の8割以上が360万円未満だった。
支払い側の吉高弘委員(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟副会
長)は、「こういう(格差のある)状態が許されているのが問題。アルバイト
先で一晩当直したら手当てが10万円などという話も聞くし、『医師はおいしい
職業』と言われても仕方ない」と指摘した。診療側の青柳俊委員も「800万円
というのは違和感がある」とした一方で、「研修医の身分と経済の保障を国に
要望した結果がインターンの廃止だった。それを反省するというのなら、国は
本腰を入れて臨んで欲しい」と求めた。
厚労省の説明では、高額の手当てが支払われているのはへき地などの病院とい
う。また、「医療技術がアルバイト先で身につくというような状態は是正し、
新制度はアルバイト禁止の観点で進める」と説明した。