杏林製薬 国内ガチフロが大幅減収
公開日時 2003/11/05 23:00
杏林製薬が11月5日発表した04年3月期中間決算(連結)は、国内の合成抗菌
剤「ガチフロ」は大幅な減収だったが、ガチフロキサシンの導出先である米ブ
リストル・マイヤーズスクイブの過剰在庫問題がほぼ解消するなど海外売上は
伸び、減収幅は3.3%と小幅にとどまった。純利益は、退職給付会計基準導入
に伴う会計基準変更時差異の償却が前年度で終了したことや、厚生年金基金代
行部分の将来分支給義務免除の認可により特別利益を計上したため、大幅に増
加した。
03年3月に血糖値異常の副作用にかかわる緊急安全性情報を出したガチフロの
国内売上(自社販売)は68.5%減の6億円、通期は30億円(前期47億円)を予
想。ガチフロの国内外売上修正に伴い、05年度の業績数値目標を修正した。ガ
チフロの将来性について「65歳以下の非糖尿病患者では、ほとんど代謝異常が
起こらないことがわかった。大日本製薬と合わせてピーク時売上100億円から1
50億円をねらい、再スタートを切りたい」と述べた。
〔04年3月期中間決算(連結)〕
売上高 308億3100万円(3.3%減)
営業利益 33億8700万円(29.5%減)
経常利益 33億3600万円(32.0%減)
純利益 46億4300万円(198.4%増)
〔04年3月期通期決算予想(連結)〕
売上高 653億円(前期686億1800万円)
経常利益 91億円(128億500万円)
純利益 80億円(41億2000万円)
〔05年度業績数値目標〕
売上高 750億円(初期策定時1000億円)
経常利益率 18%以上(25%)
研究開発費率 15%(150億円)
人員 1650人(1700人)