厚労省・検討会 併用療法の抗がん剤早期承認で議論スタート
公開日時 2004/01/06 23:00
厚生労働省の「抗がん剤併用療法に関する検討会」は1月6日、初会合を開き、
薬事法上の適応がない抗がん剤の早期承認と申請促進に向けた議論をスタート
させた。座長に、黒川清東海大学教授・綜合医学研究所長(日本学術会議会長)
を互選した。また、対象薬剤の選定について、作業部会(ワーキング・グルー
プ)を設置して検討することを決めた。
冒頭あいさつで阿曽沼慎司医薬食品局長は、「抗がん剤に限らず、将来の医薬
品審査のモデルケースにしたい。リスクの発生にも迅速に対応できる体制も必
要」と述べた。また、参考人として意見陳述した藤原康弘国立がんセンター中
央病院医長は、「日本では効能効果や用法用量が、あまりにも密接に保険制度
とリンクしている。世界の標準薬に薬事法上の承認を早く与えて、良い薬を現
場で使えるようにして欲しい」と述べた。
検討会は今後、複数の抗がん剤を併用したがん治療法の有効性や安全性につい
てエビデンスを収集。関係企業に承認申請を促すとともに、迅速な審査、承認
を図る。適応外部分を除き保険適用とする「特定療養費」制度を活用すること
で、承認前でも使用しやすくする。