東京都・課長 医療用薬の「零売」で問題提起
公開日時 2004/09/06 23:00
9月6日の厚生科学審議会・医薬品販売制度改正検討部会で委員の森由子東京
都薬務課長が、一般用医薬品のリスクに関する情報提供について述べる中で、
医療用医薬品を医師による処方せんなしに販売するいわゆる「零売」の実態を
報告。「消費者が、一般用でない添付文書を見せられているのは問題だ」と指
摘した。事務局の厚生労働省担当官は、「(零売の実態について)承知してい
る」と述べるにとどめたが、05年7月施行の薬事法改正に向け、何らかの対応
が講じられる可能性もある。
森課長によると、最近都内の一部のドラッグストアでは、消炎・鎮痛・解熱剤
「メフェナム酸」、合成抗菌製剤「ウイントマイロン」など内用のほか、「ヒ
ルロイド」「モビラート」といった外用の医療用医薬品が小売りされている。
調剤を念頭に置いた医療用ルートでなく、薬粧ルートの卸を通じて出回ってい
るケースも少なくない。「医療機関を受診するのが面倒くさい」という消費者
らから需要があるとみられる。
現行薬事法では医療用医薬品と一般用医薬品の区分がなく、薬局などは、要指
示薬以外の全ての医薬品を販売できる。改正法では要指示医薬品を廃止、新た
に処方せん薬のカテゴリーを設けた。しかし、森課長は、「『医療用は要指示
薬』の定義ができればすっきりするが、たとえ一般薬と処方せん薬を分けても、
すきまの部分できそうだ」と懸念している。