厚労省 フィブリノゲン納入先公表でウイルス検診は老健対象外
公開日時 2004/11/25 23:00
C型肝炎ウイルスの感染源となった恐れがある三菱ウェルファーマの血漿分画
製剤「フィブリノゲン製剤」(旧・ミドリ十字製品)納入先公表を前に、厚生
労働省は11月25日、該当医療機関で輸血したことがある場合には、老人保健事
業に基づく肝炎ウイルス検診に頼らず、「第一選択肢として速やかに医療機関
を受診するよう勧奨する」ことを関係機関に指示した。「今回の公表を契機に
新たに(老健事業に基づく検診の)対象者として追加するものではない」とし
た。
老健事業では肝炎ウイルス検診について、5歳刻みの「節目検診」に加え、過
去に多量出血の経験がある場合などには年齢に関係なく「節目外検診」の対象
としている。公表により検診希望者が集中すると考えられるが、厚労省は今回
の指示で、公表による検診の目的が老健事業とは異なることを明示した。ただ、
その一方で、「(老健事業の)肝炎ウイルス検診の受診を希望する場合には、
検診の機会を妨げるものではない」としている。
厚労省は12月上旬、三菱ウェルファーマが提出した資料に従い同製剤の納入先
約7000ヵ所について医療機関名などを公表。心当たりのある受診患者への感染
検査を勧奨する。